ちょっとした予備知識に
★★★☆☆
日々、世間で起こる事件を内部監査人の視点で語っている。
「性弱説」を人間の本性として考えている為、内部監査人は
その本性を頭に入れつつ、業務を運用していくか?
考えさせられる一冊である
組織人として考えさせられる本
★★★★★
私の内部監査活動のバイブルにしている前作「内部監査人室 内部監査人のための実践読本」の続編ということなので本書を読んでみました。コラム集ということで内部監査の専門書とはいえませんが、内部牽制制度とか内部監査について示唆にとんだ内容になっていると思います。「構築は性悪説で、運用は性善説で、内部監査は性弱説で」「内部牽制制度は必要ない。でも必用なもの」「内部監査は不祥事の指摘ではなく、受託責任解除活動」「監査の本質は見ること」といった言葉には、考えてみれば当たり前のことですが、目から鱗の落ちる感がありました。最近は法整備で、内部牽制制度構築ブームです。当社ても社長の下にそのための組織も作ってすすめています。私も参画していますが,その議論の過程で、社長をはじめ社員の一人一人が本当にそのような制度がなぜ必要なのかをどれだけ・何人が理解しているのかと疑問に思うことがあります。当社には、今まで創業社長の強力なリーダーシップの下で業界屈指の企業に発展してきた経緯があり、その必要もなかったという事情もあるのです。制度構築に当たって一読する価値があると考え、チーム全員に勧めています。さらに、幅広いテーマの内容で、雑駁感があり、まとまりのない物になっているのが残念ですが、それぞれが組織人として自分を顧みるヒントを与えられたように思います。
御用とお急ぎでない方に
★★☆☆☆
内部監査は不祥事を発見するためにある、という悪しき誤解を与えかねない前著「内部監査人室」は現役内部監査人として眉を顰めたくなる本でしたが、本著は「内部監査で不祥事はなくせるか」というテーマに絞っているのでまだ許せます。内容はというと、不祥事を起こす人間の本質や組織の論理などをテーマに徒然に書いたもので、必ずしも内部監査にひき付けて書かれていないので、さらに安心して読むことができました。人間や組織についての著者の見方には共鳴するところが多く楽しく読みましたが、内部監査の参考書または教本として読もうとする方は時間を無駄にすることになります。