この1冊でキハ82の車両、運転のすべてがわかるといっても過言ではない。詳細な列車変遷の説明と豊富な写真。どれもが1級の価値を持つ。厳選されたカラー写真が美しい。
個人的には長崎本線での下りの「さくら」、牽引はC60、と上り「かもめ」の交換風景の写真が気に入っている。国鉄の黄金時代を代表する1枚だと思う。
それにしてもキハ82の優美な姿に惚れ惚れする。ライトケースに代表される曲線の使い方が秀逸だと思う。スペック、アコモデーションでは今のJR車両に及ぶべくも無いが優雅さの点ではひけをとらない。まさに「鉄路の女王」の名に恥じない美しさを持つ。
この本はその魅力を余すことなく伝えている。