客車ファンにおすすめ
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写真、形式図、解説が形式ごとに簡潔にまとめられており、客車ファンには良いレファレンスブックになると思います。限られたページ数の中で、掲載形式も良く網羅されており、リーズナブルな価格もありがたいです。この第2巻は10系以降の新製客車が掲載されています。今や10系まで「旧型客車」と呼ぶ人も多くなってきましたが、やはり10系以降が、電車でいう「新性能車」にあたるのでしょう。国鉄がJRとなって四半世紀、日本の鉄道車両は電車・気動車ばかりになってしまいそうですが、客車のすばらしさを改めて思い起こさせてくれる本です。改造車がほとんでしょうが、JR編も出るといいですね。
荷物車・郵便車・事業用車も載っている
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この本は、私が興味のある荷物車・郵便車・事業用車についても触れており、 新製・改造に関わらず掲載が多い。特にEF58やEF62、EF61などが牽引した荷物列車の各車両について一通りの説明記載がある。
また、連合軍専用客車については興味深く、今まであまり公開されていないような写真や説明も掲載されているので、知らなかった世界について触れた感がある。
通常のブルートレインやお座敷・欧風客車についても網羅されており、資料性の高い書籍である。
客車研究のバイブル下巻登場!
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客車研究のバイブルとも言えるJTBキャンブックスの『国鉄鋼製客車』のII巻すなわち下巻が発売された。下巻では10系客車以降、現在までの客車を解説。主な項目は目次より以下のとおり。(章立ては上下巻通し。)
第11章 10系客車
第12章 20系客車
第13章 12系客車
第14章 14系客車
第15章 24系客車
第16章 50系客車
第17章 格下げ客車・通勤形客車
第18章 郵便・荷物車
第19章 事業用車
第20章 暖房車
第21章 JR発足後に登場した客車
特筆すべきはJTBの倉庫から新たに発見された連合軍専用車の内外装のセット写真が掲載されていること。公的な依頼に基づいてプロカメラマンが撮影したものとみえ、実に鮮明で貴重。
12系・14系・24系については国鉄時代に新製された当初形式は写真・図面がほぼ完璧に用意されているものの、近年の乱造状態とも言えたジョイフルトレインや両数の少ない個室系の改造寝台車の写真・図面はさすがに網羅できておらず、解説も駆け足気味。しかしこの本を買うファンはそれを求めてはいないだろう。むしろ第19章・第20章の事業用車・暖房車の資料の充実ぶりは、「本当によく集めたな」と思わず唸るほど豊富。相当のファンでもまず知らない車両が必ず見つかると思うので客車ファンを自認する人はまさに必見。
なお巻末には半ページほどの上巻の正誤表がある。これだけの資料で間違いは内容・量とも(特に同じくJTBキャンブックスシリーズの旧型国電50年比べれば)かなり軽微。ただ下巻に正誤表が必要になった場合はどう提供してくれるのだろう?大変すばらしい資料なだけにJTBパブリッシングにはアフターフォローの対応もお願いしておきたい。