やっぱり、はげまされました! 素敵なご家族だと思います
★★★★★
この本にすべての答えを求めていません。
わが娘も小5になりまして、あやちゃんと似ているところもありますが、多様な障がいだけに、個別の対応が大切と思います。
同じ障がいのある娘を持つ母として、あべさんの本には、たくさん「はげまし」「共感」をいただいています。
あやちゃんなりのスピードで成長し、あやちゃんなりの幸せを見つけられますように・・・
(私も、わが子にそのように望んでいます)
障がいの本を読みますと、現実の厳しさに、たびたび落ち込んでしまう私ですが、「くすっ」と笑ってしまう、優しさのあふれる貴重な癒しBOOKです。
療育内容や人間関係・・・1冊には描ききれないエピソードもあるんじゃあないのかな。
お母様、とても頑張ってると思いますよ。「愛」がいっぱい感じられます。
ファンだからこそ気になったこと
★★★☆☆
前作、前々作同様、あやちゃんは本当に可愛らしい。親御さんも一生懸命に療育に取り組み、成長していくあやちゃんを支援しているのがとてもよく伝わってくる。特にファッションショーの回などは本当に愛らしく、読んでいて笑みがこぼれた。
あくまでも好感をもって、ずっと読んできていることを最初にお伝えしたい。
ただ、この作品で私が気になったのは、あやちゃんの他害行動や、悪気のない迷惑をかけてしまう行為と、それに対する対処だ。
お友達にかみついた、という件に関し、一回目については気の毒なくらい謝罪している様が描写されている。
しかしながら、次にあやちゃんが一人で移動している際、いつも先生と移動しているあやちゃんのためにストップをかけてくれたお友達にかみついた件に関しては、「どちらもかわいそう」というコメントだけで終わってしまっている。
確かに、あやちゃんにしてみれば先生の指示に従おうとしているのに、それを遮られ、コミュニケーションのすべが限られていて、仕方なくかみついてしまったのだろう。それは非常によく伝わった。
けれども、もうその時点であやちゃんも4年生。今はもっと大きく成長していると思うのだけれど、うまくいかないときにかみつく、という行為はそろそろ許されなくなっていく。自分の意思が伝わらない時にかみついてしまうのであれば、どんなにあやちゃんが可愛くても、社会生活を送るのは難しくなっていく。
どちらもかわいそう、というのも親御さんの心情としては分かるのだが、かみつかれた子に対する謝罪の一文はこのエピソードを紹介するのであれば先述の別のかみつかれた子に対する謝罪の場面ほどではなくても載せておくのが当然ではないかと思う。また、構造化に力を入れていたり、日常活動においてもサポートされているのはよくわかるのだが、いわゆるかみつく、いきなり服を脱ぐ、脱走するなどの逸脱行動を取らないように、「〜しません」と伝える以外で何らかの対策を取っているのであればそれを紹介して欲しかったと思う。
弟さんもかみつかれているということだったが、もう保育園から小学校、ある程度認識も深まっている弟さんに、どのように何故お姉ちゃんにかみつかれるのか、ということを説明しているのかも知りたかった。
また、親御さんのこだわりとして、交流学級にランドセルを置きたい、給食は交流学級で、ということを強調して書かれているのだが、是非その理由を載せていただければ、非常に説得力があったと思う。
とても素直に、淡々とユーモアを交えながら自閉症児とそのご家族の生活を素敵に描かれているお勧めしたい本なだけに、今回はコメントさせていただきました。ごめんなさい。