呉海兵団の機関兵から駆逐艦艤装員、駆逐艦乗組員を経て航空兵を志願。(丙飛3期)6空戦闘機隊に配属されミッドウェー海戦で初陣を迎え、その後、空母「大鷹」「翔鶴」「瑞鶴」に乗組、優秀な技量が求められる母艦搭乗員として活躍された。「ろ」号作戦でラバウルにも進出し、のちに二五三空に編入されるなど、過酷な消耗戦をくぐりぬけ、末期には特攻隊員として出撃待機まで経験した叩き上げの零戦パイロットである。
入隊から終戦まで、荒削りではあるが、数々のエピソードや、出合った人物との回想が多く紹介されている。残念ながら操縦や空戦に関する技術、メカニカルな部分にはほとんど触れられていない。戦後50年を経て書かれた本ですから、無理もないところでしょうか。全体的に、いかにも職人気質で、失礼だがいかにも文章慣れしていない印象を受ける。それがまたリアリティを感じさせてくれる一冊でありました。
中島教員に師事した同期練習生ペア(6名)の中には、杉野計雄飛曹長、谷水竹雄飛曹長、杉田庄一少尉と伝説の人物が3名もおり大変驚いた。