歌手としての小川範子さんの魅力を再発見できます。
この歌唱力と表現力。改めて聴いても、すごい才能だと思います。
でも、このリマスタリングには疑問です。無理やりいじった感じがします。

実は88年デビュー組だとセールスは一番だった小川範子のシングルベスト盤。最初の十枚のシングルは初期のディレクターによる緻密な背伸びした世界観。その後は比較的「等身大」になりつまらなくなるが、林あまりの歌詞による「レクイエム」で濃厚に。これは愛の終わりを確認して葬る女の恐いうた。そう「涙をたばねて」の彼女が大人になったような曲。インディーズに行ってからますます濃厚にディープになる彼女の「アイドル時代」。初期作品は以前の『スーパーバリュー小川範子』で網羅されていたし、そちらを持っている人はあえて買う必要は無いかもしれないけど（リマスタは微妙、このユニバーサルのゴールデン☆ベストは）、これから聴きたい方にはお勧め。「無実の罪」を１６歳になったばかりの少女が歌いこなせるのは、もはや天才としかいいようが無い。天性の女優です。

トーラス時代のシングルコレクションですが、収録時間の関係で2曲未収録なのがちょっと残念でしたね。
しかし、デビュー曲から一貫して独特の雰囲気と世界観を全面に出した作品ばかりで吸い込まれました。
特に「こわれる」「ガラスの目隠し」「桜桃期」は絶対に他の歌手では歌いこなせないです。
あらためて《歌手・小川範子》を再評価してもよいのでは?

「それぞれの愛」の後にもトーラスから2枚シングル出ています。特に「会いたいと思えたならいいね」は名曲なので入れて欲しかった。移籍後もコンスタントにシングル出ているので、次はレーベル越えた形で全シングル集をぜひ。それよりも彼女、このCD出る前、06年1月突発性難聴を患い、右耳が全く聞こえなくなり、仕事全てキャンセルしていたとは知らなかった。快方に向かってるらしいが早く完治して新作出して欲しいです。本当に歌が上手いんだから。

「会いたいと思えたらいいね」
「GURU-GURU-SURU-YORU」の２曲が収録されていません。収録時間に無理があったんでしょう。全アルバムも含めたコンプリートＢＯＸでも作ってくださいよ。