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トロツキーわが生涯〈上〉 (岩波文庫)

価格: ¥1,155
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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自伝前半、楽しく血湧き肉踊る革命家立志伝編。訳は直訳でお固め。 ★★★★☆
自伝前半の本書は、トロツキーの子供時代から社会主義運動への傾倒(高校時代に活動を始めたんですねえ)、そして各地での地下活動から投獄を経て、ロンドンのレーニンに会い、あれやこれやでカナダでボリシェヴィキ革命の報を聞くあたりまでの話。もちろんその後成功するのはわかっているので、何をやるのも予定調和的にいい解釈で、社会的不正への怒りから英雄的な革命運動への参加、という克服と勝利ののぼり調子のプロセスが述べられ、なかなか読んで楽しい、革命家立志伝ともいうべき部分。

翻訳は、よくも悪しくも愚直。流麗ではなく直訳的な処理が行われており、このため特に慣用表現などで意味のとりにくい部分が出ている。たとえば「ベンサムの功利主義は、人間の思想の最後の言葉のように思えた」(p.209)なるなんだかよくわからない訳は、英語などでも使われるlast word on ... といった表現の直訳。これはそれ以上の反論が不可能な決定的議論という意味なので「人間の思想の決定版」とか「人文思想としてまったく疑問の余地がないもの」とでもするべき。「敵はあらゆる陣地を保持した」(p.198. 敵はまったく無傷に終わった、くらい)や「(子供時代の)雰囲気と、私がその後の意識的生活を過ごした雰囲気とは、二つの異なった世界であり」(p.30, まったくの別世界であり、くらいの意)など、原文を類推して再変換しなければならない部分が多い。ただし、それができる程度の精度は確保されており、そんなに異様なレトリックが駆使されているわけではないこともあって、慣れてくればそんなに気になるほどではない。

また佐々木力の解説は、2000年の時点でまだレーニン万歳の旧態然とした古臭い左翼感をむき出しにしているのは失笑ものではあるが、本書の位置づけや旧訳についてのコメントなど、役にたつ情報も少しは入っている。
マスコミ乗り。 ★★★☆☆
たしかにレーニンに「ペロー(ペン)」と仇名されただけあって、筆致の巧みさ(ヒットラーの「我が闘争」と比較。)は認めるが、自己陶酔の感は否めず。今更言うまでも無いが、レーニンとの論争についても触れておらず。「生涯」と名付けるには時期尚早なのではなかろうか・・・。
ある革命家の歩み ★★★★★
 社会主義そしてロシア革命の世界史的意義を考察する上で必読書であります。
 上巻は革命へと導いた彼の青年時代の回想録が収められています。
 小説に負けず劣らず読みやすく、かつ三文小説より価値があります。
 トロツキーの文体が優れすぎているので他者によるあとがきは
 余計なものとなっていると思うのは私だけでしょうか。
預言者としてのトロツキー自伝 ★★★☆☆
星3つは、この「翻訳」に対してであり、「自伝」に対してではない、この「自伝」にならば、星10個を付けても好い。また下らぬ解説は笑止以外の何物でもない。投稿者が最初に読んだのは、栗田勇・渋沢龍彦・浜田泰三・林茂・の各氏による翻訳であった。現代思潮社版である。この自伝を読むとトロツキーは何と素敵な、ユーモアと機知にあふれた、意志的で純真な人間であることが分る。トロツキーは根っからの文学好きであった、トロツキーほど、スターリニズムの悪意と伝説に晒され、そう云った宣伝により、誤解されている人は居ないのでは無かろうか?
栗田勇氏も書かれた居るように、この自伝は、「貴重にして稀有の魂の記録」である。是非とも多くの人がお読みに成られる事を!
マルクス主義復興へ必読の書 ★★★★★
この本は、『ロシア革命史』とは違って、自伝的スタイルで書かれているが、トロツキーという人物自体に革命運動の歴史が刻み込まれているため、革命運動史の本として読むことができるような本である。スターリン主義と社会民主主義によって埋葬されてしまった真のマルクス主義を復興するために必読の書である。翻訳は、日本語としてやや疑問に感じる点もあるものの正確で読み易い。。佐々木力の解説はこの本の価値を落としている。この書は古典であり、特定党派の所有物ではないのだから、マンデル云々という解説は不要なのである。この点、編集者の良識が欲しかった。