ほんものを見抜く眼
★★★★★
「美はそれを観たものの発見である。創作である。」(青山二郎)
「美しい花がある、花の美しさといふ様なものはない。」(小林秀雄)
いずれも本書より引用。
本書は、書物の装丁家や陶器鑑賞家などとされる青山二郎による幅広い交友が記されており、上記二者のことばの真意がうかがえる。
小林秀雄、中原中也、大岡昇平など文人たちとどのように語り合い、切磋琢磨なされたのかをよみしるおもしろさがある。
ことなる個性は、ことなるがゆえに、しかしいずれも純粋であるからこそ互いに高めあったのかもしれない。
痛快な本書だ。
記20080612