例題はわずか２０題ですが、その少数の問題を徹底的に研究し尽くし、英文精読の方法を習得するというもの。英文を辞書をコツコツ引きながら読んでいくのを好む人には好適な参考書。例文の質も高く、このような参考書と、必死に格闘することで、英語初心者を脱出できると考える。

この本は徹底した精読用の問題集である。掲載されている設問は全て、普通の大学入試に見られるようなものとは一線を画すものとなっており、英文の内容が筆者の意図まで含めて真に理解できていなければ正解に辿りつくことはできない。英文自体は全て大学入試英文から採られているが構文・語彙的に手ごたえのあるものが多い。問題集の意向には大賛成であるが、果たして今の高校生がこの問題集相手にどこまで格闘できるか？　私の経験に拠る限り、難関大学の英文科生でも苦労する者が少なからずいるように思える。東大・京大などの『超』難関大学で英語を『圧倒的』得点限にしたい人は挑戦してみる価値はあろう。それ以外の人にはより基礎を固めることを薦める。

今は廃刊となっている月刊誌『高校英語研究』（研究社）で３年にわたり連載された「英文を読み込む」をまとめたもの。読解の王道である。著者とこの本を信じて最後までやり抜く価値のある本。最近流行のスキ－マや概要理解を力説する英語教師の授業を受けてきたけれどもいっこうに力のつかなかった生徒や、半年から１年くらい留学したのだけれど、ある程度レベルの高い英文となるとからっきし読めない人は是非読むべき。これ１冊をやり終えれば、概要把握だけでは読解力がある、とは言えないことが理解できるはずです。不幸にもあまり売れていないようなので、これをやっている人は少ないから、確実に差を付けられます。テストで要約問題が苦手な人や、コミュニケーション重視の学校でディベ－トをやっているがア－ギュメント作成に苦労している人にもオススメ。別冊の解説にある『英文を読む１０の軸（AXIS) 』はコピ－して、リ－ディングの授業の予習・復習の時、常時参照すること。２年生の冬休みくらいには始めて３年の１学期には終わらせ読み込む軌道に載せたい。この本が終わったら赤本などでとにかく量をこなしていけばＯＫ！さすがに刊行から１０年近くが経過しているので改訂版が望まれる。万が一この本をやってもだめだったら、私のところに来なさい。