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思ってたよりフツーですね (1) (単行本コミックス)

価格: ¥945
カテゴリ: コミック
ブランド: 角川書店(角川グループパブリッシング)
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ええ、本当にフツーです。 ★★★★☆
角川書店の月刊誌『本の旅人』に連載中の作品です。

内容は以前に上梓した『榎本俊二のカリスマ育児 (akita essay collection)』と同路線の「日常エッセイ」。
『カリスマ〜』は、家族・育児にまつわるドタバタをメインにしていました。
それに対し、本作品は現在のエノモト氏の仕事(上の交友関係)と、中学から専門学校までの回想が描かれています。
したがって、『ゴールデンラッキー』や『えの素』の味わいを期待するファンの方は、見事に肩すかしを食らうことになります。

「思ってたよりフツーですね」と。

その「フツー」なエノモト氏が、いかに非「フツー」を目指して来たのか。
現在は妻子もちのフツーのおじさん(?)になってしまった筆者が、──私含め誰もがそうであったように──フツーじゃない生き方をしようとしていたのか。
回想の部分では、そのイタイ青春を窺い知ることができます。
…で、アメリカ小説にハマったわけは? ★★★★★
ギャグマンガの鬼才・榎本俊二による初の青春自伝エッセイマンガ。作者のエッセイマンガの面白さは『榎本俊二のカリスマ育児』(秋田書店)や『映画でにぎりっ屁!』(講談社)で証明済みであり、しかもこれまでごく断片的にしか語られなかった“プロマンガ家・榎本俊二の出来るまで”をまとめて読めるという好企画である。

…のだがそこは榎本俊二、期待以上のぐだぐだっぷり。初回タイトルこそ「青春エッセイマンガをお願いします!」だが、発注から編集者との打ち合わせに丸一話費やしてまるで方向性が決まらない。身辺雑事日記を描きつつやっと本題に入るのが第四話。映画少年エノモト君(14)の甘辛い青春記が始まった、なるほど『映画で〜』の萌芽だな…と思ったらすぐさま「こんな有名人と会った、こんなイベント行った」の近況報告となり、編集者との雑談となり、あろうことか他誌での仕事絡みの告知連発と常に脱線を忘れない。結局「自伝」部分は全体の四割弱(本当)。ナイス。『カリスマ〜』より余裕の毎回6ページ・各ページ7コマ程度という配分が心地よい。

作者ならではの秀逸な言葉選びと人間観察が光る日記部分はもちろん面白いとして、やはり自伝部分が素晴らしい。その青春のトホホでボンクラで浅はかで間抜けな様子に誰もが笑いつつ、同時に枕に顔を埋めてうわああああるあるあるあるとじたばたしたくなるはずだ。「思い出すのけっこう苦痛ですよ」とあるがよくぞここまでズル剥けにしたものだ。しかし「いつを思い出してもマンガを描いていた」とさらり書くのはかっこいいし、映画三昧の落ちこぼれ学生時代はちょっとノスタルジック。さらにあの著名人との接点が明かされたりと盛りだくさんだ。

読み終えて、六割日記・四割自伝はちょうどよい案配だったという印象(しかし自伝開始のきっかけとなった「アメリカ小説にはまったわけ」は結局何だったのだろう)。続きに一層期待しつつ星五つ。