“教え合い”の精神を学ぶ。
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『ドラゴン桜』をドキドキしながら、学生、教師、学校や塾の経営者の方々も読まれていることでしょうね。
僕は14巻まで読んだのですが、その中で、この第6巻の52限目「北海道の面積」の教え合いの精神が印象的でした。
優秀な人たちは、教え合いの精神で溢れている。
自分だけのものにせずに、多くの人に伝える気持ちがある人が多いように思う。
教えることで、自分自身の記憶が増し、より深く理解することを助長する。
それが、お互いの知的好奇心と向上心を刺激し、結果として、成長を促す。
実用的な受験勉強の指南書である以上に、幅広い視点で学ぶことを教えてもらえます。
教える側に回ってわかること
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この巻では、水野と矢島が教える側に回るのだが、
実際、人に教えてはじめてわかることはたくさんある。
メリットとして、まず、自分の理解度がわかるということがあげられる。
これは非常に大事なことである。
また、どこでつまずきやすいかということもわかる。
学生の頃家庭教師をしていたのだが、英語の3単現のSを主語ではなく、
目的語で判断していた子がいて、愕然としていたことを思い出した。
人に教えて自分を高める。自分も他人も幸せになる。
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人に教えることは自分のタメになる。これは「分かったつもり」を無くす上で、絶対的に重要なことだ。そして、他人に教えたことがない人ほど、教えられた時に分かったフリをする。納得するまで質問しない。会社でも見かけるが、こういう人は成長しない。
試験についても、いかに試験を教育に利用するか、ということを、もっと教師は考えるべきだよなぁ、と思わせる。
試験前日の過ごし方のアドバイスもタメになる。睡眠が短期記憶を長期記憶に変えるとか、風呂よりも睡眠の方がリラックス効果が大きいとか、とにかく睡眠の重要さを思い知らされる。他にも、不安を打ち消すにはホットミルクがいいとか、1.5時間の倍数の睡眠時間がいいとか、何気なく科学的知識が織り込まれているところは「さすが!」としか言いようが無い。
あと、競争を肯定している点も良い。近年、「競争がいけない、いけない」って言われるけど、じゃあどうやって生徒を頑張らせるための動機付けをするの? ゲームだって対戦型とか楽しいじゃん、だからわざとレース形式で勉強してるんじゃないの? 競争したくないなんて、負けて傷つきたくない奴の言い訳だろ。人が真剣に競いたいと、おもくそ頑張ってるのに、「負けてもいいさ」といって手ぇ抜くやつなんてつまらないよ。
ライバル(好敵手)こそ、自分を高めてくれる真の友人なのになぁ。
口で言うのは簡単なことだ
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この漫画の著者も、そして、この方法論で合格できると思う読者も、ぜひ、この方法論を実践して、東大合格を目指して勉強してみてほしい。自分がどれだけ甘い理想に浸っていたかが身をもって実感できるだろう。
目標を立てるのは簡単だ。計画を立てるのも簡単だ。難しいのは、それを実行し、継続することである(こんなことは、東大生くらいにもなれば、当然、心得ていると思うが)。そして、それができたものだけに、真の成功のチャンスが与えられるのである。
論より証拠。実績に裏付けされていない方法論を提唱されたところで、それは所詮、著者の受験生の心理に漬け込んだ手っ取り早い収入源の獲得にしか、私には映らない。
日本人の学歴社会に波紋をよぶ東大合格テクニック書
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