控えめな歌姫が放つ光彩溢れるアルバム
★★★★☆
寡作なK.ボノフの2ndアルバム。タイトル曲の「Restless Nights」でカーラを知った方も私を含めて多いと思うので、デビュー・アルバムと錯覚している方も多いだろう。それほど地味な存在でありながら、歌姫と呼ぶにふさわしい風格があるのだ。ウェストコーストを代表するミュージシャンが全面的にバック・アップしているのもそれを証明しているし、実際サウンド的にも充実している。
カーラの唄法の特徴は、女性としての媚を売る事無く、ウェストコースト・サウンドに乗って爽やかに、(時には投げやりな程)さりげなく唄う事であろう。タイトル作や「Trouble Again」と言った代表曲にそれが出ている。しかし、本作の最大の目玉はバラード「The Water Is Wide」であろう。しっとりとした情感に溢れる名曲で、アップ・テンポの他曲との対比と後半加わるJ.テーラーのボーカルも手伝って聴く者に感動を与える。
上記のカーラの歌の特徴は彼女の内気な性格を反映していると思うが、それがノリの良いサウンドの乗ると不思議な光彩を放つのである(上述の通りバラードも良いが)。そんな歌姫が放つ充実感に満ちたアルバム。
訥々とした感情をクリアに歌う
★★★★☆
表ジャケ/裏ジャケ共に、その美しい横顔を見せるK.ボノフ(vo、g)の2nd作品('79年作)。
勝手な比較をさせてもらえるなら、内省的な孤独にある美しさや冷ややかさを歌うL.ニーロ辺りに対して、訥々とした感情をクリアに歌うK.ボノフというような構図が思い浮かびます。
余りに単純な東西比較なのかも知れませんが、やはり西(L.A.)側のK.ボノフにはある種の"乾いた良さ"があるように感じます。
後にL.ロンシュタットがカバーする[1]も好きですが、タイトル曲の[2]が個人的なイチおしです(バックのコーラスはL.A.の大物(^^; D.ヘンリーとJ.D.サウザー)。
女性的な優しさがあるのは当たり前ですが、過ぎた艶かしさを出さずにしっかりと歌を聴かせるという楽曲は、やはり軽やかであり、温かくもある訳です。
確かに目を閉じて聴くと、L.ロンシュタットの歌唱スタイルに通じる部分が少なくない事がよく判ります。L.A.女性SSWとしてはやはり押えておきたい一人です。
何枚買ったでしょう? 4枚です。
★★★★★
リアルタイムの高校時代に買って、回りに進めてました。どれも大好きな曲ですが
最初のアルバムは、兄貴が所有、2枚目までレコードで購入、3枚目はCDで、友人が所有。4枚目は、アマゾンで購入現在に至る。
アルバム全体的な秋のイメージの流れが好きなのですが、 Water Is Wide が好きです。この曲、CMで使われたり、多くのミュージッシャンが歌っています。
どれだけ、好きと連発しても伝わらないでしょうが、最後に一言、
「私の青春です。」
飾り続けているジャケット
★★★★★
不思議なことに25年以上経つのに、このアナログ盤ジャケットを額にいれて飾り続けている。
捨てられないのである。
当時思わずジャケ買いしてしまった方も多いであろう美しくも切ないジャケットは、決して中身がハズレではなく大アタリの大名盤ということで保存してる方もいるでしょう。
カーラボノフ2枚目作品にして全曲駄曲無し、アンドリューやケニーとの息もデビュー作よりマッチしているし、何よりメロディが多彩。
リマスターは各楽器よりもカーラ自身の歌が強調された感が強い。
紙ジャケもまた飾って嬉し美し愛しいなり。
今のうちに紙ジャケで本商品の入手を検討することを薦めます。
★★★★★
寡作で、マイペースで作品を発表するカーラ・ボノフのCDはどれも秀逸ですが、日本で70年代後半にウェスト・コースト・ロックを愛聴していた人の多くにとっては、本作が最も思い出深いでしょう。リンダ・ロンシュタットがその後89年発表の「クライ・ライク・ア・レインストーム」で採り上げた(1)を含む本作は名曲揃いですが、私にとって印象深いのはトラディショナルの(9)。ギターでジェームス・テイラーが参加し、哀愁漂うアコーディオンをガース・ハドソンが担当。多くのアーティストがこの曲を演奏していますが、私が聴いた範囲では本作のものがベストと思います。内容だけでなく、このぐっとくる表・裏のジャケットにもしびれます。70年代後半の女性シンガー・ソングライターの極めつけの傑作として、本作は大いに推奨に値します。