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「天下り」とは何か (講談社現代新書)

価格: ¥7,098
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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本当の問題の本質とは ★★★☆☆
本書は天下りをその発生原因から分析し、問題を浮き
彫りにしている。

天下りと言っても所詮公務員の再就職である。経済の非
効率しか招かない天下り専門の特殊法人などは排除すべ
きだが、「再就職」全てを公務員だけ不当に厳しくする
ことはできないし、すべきでない。

そもそも現在議論されている天下り問題は景気悪化の不
満の捌け口として一部の世間ずれした公務員をマスコミ
が用意し、それに人気取り目的(だけではないかも知れ
ないが)の政治家が飛びついた構図になっている。少な
くとも政権交代後の人事を見る限り、民主党政権の公務
員改革は早くも馬脚を現した格好だ。

肝心の改革の提案だが、本書は公務員の待遇改善と天下
り調査機関の設置という常識的な提案を行っている。だ
が歳出を絞るこのような議論より経済成長政策こそ国民
が本当に望んでいるものではないだろうか。
天下りの功罪について分かり易く説明 ★★★★☆
本書は表題にあるように、いわゆる天下りがどの様なものであるかを探るものである。

とかくネガティブな印象をもって語られがちな天下りであるが、著者によれば、
同期横並び昇進の下では早期退職勧奨が組織の活性化のために必要であるだけでなく、
天下りに伴う民間との情報交換や意思疎通が日本経済の強みであった。
しかし一方で、90歳を過ぎても天下りを続ける「わたり」や、天下りの受け皿となる各種法人
という無駄を生んでいることは、やはり批判されなければならない。

それでは天下りは根絶できるか。著者は役所の人事労務管理の改革なしには不可能だと主張している。
すなわち、一定期間の、または関連団体への再就職を禁止しても抜け道は存在するし、
厳しすぎる規制は憲法で保障されている職業選択の自由を侵すことになりかねない。
骨抜きと違憲のジレンマに苦しむのではなく、年次主義を廃止した上で
全員が定年まで勤めても活力の衰えない組織をつくるしかない、というのである。

感情的な批難ではなく、建設的な議論をすべき問題だと捉える著者の主張は説得力があり、
概ね首肯できるものであった。財政再建が切迫した課題である現代日本にとって、
天下り根絶は疑いも無く必要であるが、それが日本経済の強みであった事実も考慮しなければなるまい。
斯く言う私も、自分が如何に一面的な見方で「天下り」を捉えていたかを自覚することが出来た。
これから読む新聞は昨日までのそれとは違う目で読めるのかもしれない。
天下りとは何かがよく解説されています! ★★★★☆
「天下り」とはよく耳にする言葉ですが、その意味とは何か、人に説明しろと
言われると、なかなか難しいものです。
高級官僚(公務員)の、自分の地位に見合う(独立)行政法人への再就職という
程度のものでしょう。
本書では、この「天下り」について、色々な角度から、突込んで解説されおり
比較的分かり易くまとめられています。
ただ残念なのは、文中、見出し以外は『太字』もないため、読み難いということです。

やはり、著者の強調されたい点は、『太字』も使用された方が良いのではないで
しょうか。
元官僚による官僚応援歌 ★★☆☆☆
 バブルがはじけてから官僚バッシングはひどい。最近は官僚の家族は恥ずかしくて職名を名乗れないという。官僚バッシングは根拠のないヒステリックなものが多く、私は官僚バッシングが大嫌いだ。
 にも関わらず、本書の官僚援護の姿勢には不快感を感じた。本書の著者は元旧労働省の官僚である。他にも公務員に関する本を多く書いてあるが大概は官僚容認である。一方的なバッシングに対しては官僚容認の著者がいてもいいか、と今までは思っていたが、本書は官僚の天下りに対し余りにも甘すぎる。まるで官僚による自己弁護になっている。本書の姿勢で最も容認し難いのは官僚は優秀、と無条件で書いているところだ。日本が経済発展したのは冷戦による政治構造によるものであり、決してnotrious MITIによる経済誘導によるものではない。官僚が非難されているのは高給取り幻想による嫉妬が主(官僚の給料が安い、という著者の意見には賛成する)であるが、本当はその無能さを避難されるべきなのだ。たかだか東大法学部という地方大学(フランスのENAに比べれば落ちこぼれもいいとこ)出身というだけで優秀とされるのはどうか。
 本来政治誘導すべき政治家がこれまで一切の責任を官僚にぶん投げてきたのは十分に同情に値する。しかし著者はこの20年間官僚が如何にミス誘導してきたかを忘れてはいやしないか。もう官僚ではないのだから、著者はこれ以上官僚援護をしないでいただきたい。
非常にわかりやすい! ★★★★☆
マスコミに叩かれている「天下り」。
他の方のレビューにもありますが、その実態を知る入門書として
素晴らしい本です。

著者は中途入省の元キャリアで、役所がイヤになり自力で大学教授に
転身。天下りに関する政府懇談会の委員として天下り問題に深く
関わった経歴を持ちます。生々しい役所体験談や暴露話を散りばめながら、
非常に複雑な問題をやさしい言葉でわかりやすく解説していきますので、
難しい内容でもスラスラ読めてしまいます。
しかもこの手の”脱役所”の方が書く本にありがちな少々偏った恨み節が
無く、非常に冷静に中立的かつ包括的に論を進めます。野党時代に民主党
に請われて仕事をしたものの与党になった民主党の対応批判も面白い。

問題を深く掘り下げるには足りない内容かもしれませんが、あとがきにも
あるとおり”わかりやすく”書いた本。一般人が広く浅くわかりやすく
実態を知るには十二分です。深く知るために同著者の別著「天下りの研究」
も読んでみたくなりました。