太陽暦導入以前の暦をめぐって
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現在用いられている太陽暦が日本において用いられるようになったのは明治維新に伴う変革の結果である、ということは、今さら指摘するまでもなくよく知られた事実であろう。だが、それ以前の暦、太陰太陽暦はいつどのように編まれ、どれほどの頻度で改暦がなされていたのか。そうしたことはあまり知られていないのではないだろうか。
本書は、「近世における改暦」をメインテーマに据え、改暦をめぐる天文方の人物模様を描き出しつつ、近世において数度行なわれた改暦が持つ意味について考えていく。近世における時間感覚や空間感覚を考えるにおいて、参考になるところは大であろう。