著者が本書で指摘しているとおり、従来型の日本の証券会社では、「売り」は常に悪という一種の偏見があり、ましてや株が下がることによって利益を得ようとする「カラ売り」という行為に対しては、タブーとは言わないまでも、どこか白眼視されるところがあった。
しかし、公開されている市場は、さまざまな相場観を持つ投資家の見解を集約することによって価格を発見していく機能を持っている。著者は、その本来の役割を果たしていくためには、「行き過ぎた買い」への抑止力として「カラ売り」が広く投資家に認知され、運用メニューに加えられるべきである、と言う。
著者がどのような経歴を経て、現在の会社(投資顧問業)を主宰するに至ったかは、明らかにはされていない。だが、本書には証券会社の営業姿勢に対する強い不信感と、それに対する一般投資家のスタンスに対する強い危機感を、少しでも共有してもうおうとする意図がある。たとえば、投機的なトレーディングを指向しているのにもかかわらず、もっと長期的であるべきファンダメンタルズによる銘柄選択を行ってしまうという矛盾だ。投資家にとっては、本書を読むことで、株式投資の幅を広げることができるメリットがある。構成は、「カラ売り」の制度的な側面の紹介から、実際に証券会社で信用取引口座を開設するする方法、「カラ売り」の効用、その「定石」と実際の事例に則した紹介まで、内容は多岐にわたっている。
「カラ売り」という手法は、一部のプロ投資家のみが行うべきものであり、自分たちには縁がないと決めてしまっている投資家にとっては、手にとってみる価値のある本だといえる。(杉 良介)
書いてあることを実践して成功に結びつけるのは困難
★☆☆☆☆
「より馬鹿投資家」を出し抜く、より強い外国人投資家について行くとか、相場を戦いの場・勝負の場とされてる著者。まず最初の「より馬鹿」については、自分が出し抜いてることが勘違いではないのかと。二番目に外国人投資家がまるで多数勝ってるようなことが延々書いてあるが、現実には少し成績がよいという程度なのに、、まるでオカルトか幻想。大損してるメジャーな外国人投資家は多数に及ぶ(しかもその背後には著者の好きな「世界中のより馬鹿?な」個人マネーが)。トレーディングでは世界中見渡しても儲け続けることはいかに難しいか。著者の手法の欠点は仕掛けるときに結局相場を予測しないといけないこと。予測が果たして可能ですか。トレンドも終わり頃にならないと判断つかないし。
私は立花義正氏の手法を好むのでほぼ真逆ですな。
これは、あまり役に立たない。
★★☆☆☆
著者も本の中で書いているが『アームズチャート』を利用した
投資のやり方について書かれたものです。
カラ売りの入門書として、果たして役に立つのか疑問です。
アームズ氏による【アームズ投資法】という本が出ているので、
その本を買った方が良いです。
【アームズ投資法】の簡単な日本語解説書というところでしょうか?
この本の手法を取り入れるのなら、まずは【アームズ投資法】という本を
買うのが先ですね。 ボリュームが全然違いますから。
信用取引やカラ売り初心者の入門書
★★☆☆☆
投資顧問業の著者が、カラ売りへ考え方や実行方法を述べている。カラ売りをタブー視してきた証券会社の体質の話も興味深い。カラ売りをするための信用取引について説明されている。さらに、カラ売りをどのようなタイミングで仕掛け、そして手仕舞えば良いのかを、実際のチャートをもとに説明されている。カラ売りの定石の一つを学ぶのに良いと思う。信用取引やカラ売り初心者の入門書になると思う。
入門者には読みやすい
★★★☆☆
カラ売りのリスク/リターンについては、定性的ではあるが容易に理解できる構成となっている。
できれば、”入門”なのだから カラ売りの仕組みや税金について もっと正確な記述がほしかった。
また、”カラ売りがいじめられている”との記述も もっと論理的に考証してほしかったと思う。
全体的に、入門者には読みやすい。