圧倒的なステージと天上の歌声にうっとり
★★★★★
フランスの女性Vo、ミレーヌ・ファルメールのライブDVD。2000年を記念して行ったライブ。
とんでもなく大掛かりなセットで、やはり10万人は軽くいるだろう大観衆が固唾を呑んで見守る中
ジャケにもある、まるで「ギーガー版奈良の大仏」のような巨大な像の頭が左右に開いてミレーヌが登場。
透き通る白のドレスに身を包んだミレーヌが空中から降りてくる様は、さながら本物の天使か女神のよう。
「大仏(?)」の手の上に舞い降りた身じろぎ一つしないミレーヌが、やがて立ち上がり、静かに歌いだす。
崇高な空気をまとわせた美声の歌唱が始まる瞬間、画面を見ている私も引き込まれそうになった。
宗教儀式といっては言いすぎだが、どこか人ならざるような大きなオーラすらもまとわせ、
人の内面に浸透してくるような情感を完璧に表現する術を身につけた彼女は、聖母か女神のように輝いて見える。
その後は例によって曲ごとに衣装を変えたり、アップテンポの曲ではダンサーとともに踊り、
再び静謐な曲を情感を込めて歌い上げる。ライテイング等の演出を含めてまさに見事なステージである。