さすがに、僕は泣きはしませんでした
★★★★★
本書では、表題通り唐代の漢詩が八つの主題別に、計100句が選ばれている。後書きに2句のおまけも付いて、正確には102句の漢詩が味わえる。八つの主題とは、サラリーマン人生、人生の哀歌、飲食、青春、友情、旅情、望郷、戦乱である。最初から読むのも良し、気に入った章から始めるのも良し。
超訳の成否は、浅学菲才の僕には分からない。しかし、とにかく親しみやすい。五七あるいは七五調の旧来の訳に比べ、いっそう垣根が低くなった感じだ。一人で酒を飲みながら、一気に通読した。しかも、いくつかの「お気に入り」も見つけることができた。例えば、李白の「秋浦歌」である。
さすがに、僕は泣きはしませんでした。そう、タイトルが例によってエグイ。しかし、インセンティブをどう刺激するかを常に迫られる、出版社も大変だ。いずれにしろ、独断でいうなら、45-65歳くらいの単身生活者に特にお薦めしたい。