グスタフ
★★★★☆
約30年前に録音その物より、レコードジャケットに使われた、グスタフ・クリムトの絵画の方が
気に成っていたのですが、最近ようやく録音をジックリ聴きました。
思っていた通り、自身聴いた幾多の録音の中でも一番個性的な演奏でクーベリックらしい
実直で作品への熱い思いを感じさせる演奏です。マーラーの作品の中でも初々しいと言うか
青春の光を感じさせる曲想を素直に表現していて好感を覚えます。
でも演奏がイイのに☆四つなのは、やはりマスタリングしたとはいえ録音がイマイチであるからです。
残念。
でも、ディースカウを独唱に迎えた「さすらう若人の歌」は歌唱の素晴らしさとクーベリック、
バエルン放響の絶妙なサポートは、内容ではこの曲のベスト録音といっても過言ではないと
思います。
いずれにしても一聴の価値のある録音だと思います。