非常に暗い戦争に関する小説
★★★★☆
何処の国か特定されてない将軍がアルバニアに赴き、現地の司祭とともに戦争で死んだ兵士の遺骨を収集するとういあらすじ。劇的なことは何も起こらず、静謐に淡々と物語が進行し、発掘される一つ一つの遺骨に歴史があり、戦争とは何かを問いかけ、また途中で出くわす結婚式で生とは何かという提起がなされ、翻って人間にとって生死とは何かが問われていると思いました。書かれたのは1963年だそうですが些かも風化してないような印象を持ちました。
一語一語彫琢された文章は厳粛で襟を立てて読んでしまう雰囲気でした。少しユーモアがあった方がいいと思うけどこういう暗く透徹した文章も悪くないと思います。レムでもそうだけど、東欧の作家あまり読まないけので判りませんがこういう感じの作品が多いのでしょうか。