読んでない人は損
★★★★★
歩の手筋が項目ごとに分類されており、項の始めに数ページを割いてこの手筋はどういうもので、どういう効果があり、どういった局面で使うかという総論が入る。続けて部分図で手筋のメカニズムを解説し、そして最後に実戦譜でその効果を確かめる、という構成になっている。
全3巻計900Pとボリュームがあるので今はこの3冊の前にまず「歩の玉手箱」に目を通してから買うことをお奨めします。
星7つ
★★★★★
ずばり名著である。『聖の青春』によれば、天才棋士村山聖が小学一年の時に読んだ初めての専門書が本書である。なるほど、才能は才能を呼ぶ。
本書と同シリーズの中巻、下巻どれも読んでいて面白かったし、勉強になった。将棋の奥深さをアマチュアにも理解しやすいように言語化し、きちんとまとまっている。本書と中巻,下巻があれば他の手筋書は必要ないとも思えるような内容である.というか単なる手筋書以上である.またこの『将棋は歩から』というタイトルもいい感じだ。
対象とする読者層はたぶん幅広いとおもう。有段者でも頭の中を整理するのにちょうどいいんじゃないかとおもう。さすがに駒の動かしかたを覚えたぐらいの超初心者には難しいが。あと、小学生にも漢字が多いので難しい。(村山聖はいろんな意味で例外)
巻末に『まあ、ざっと目をとおせば初段、しっかり身につければ2段ないし3段の実力は確実に備わると思う。』とある。そうなんじゃないかなと思うし、そう感じさせるだけの説得力のある濃い内容だと思う。私自身は恥ずかしながら上巻、中巻、下巻を理解したつもりになって読んだが、将棋倶楽部24での点数はまだ300点台だ。しかしそれは単に私がアホなだけで、本書の価値を下げるものでは決してない。何十局、何百局負けようが好きなものは好きである。こんな私でも、本書の素晴らしさぐらいはわかる。本書が将棋好きの多くの人達に読まれ、後世に伝えられていくことを願う。私ももっと棋道を磨き、将来は人に堂々と本書をおすすめできるようになるつもりだ。
名著
★★★★★
将棋の本の名著中の名著。上中下の三冊構成で丸まる歩の使い方を解説している。上巻は前進の歩、交換の歩、突き違いの歩、蓋歩、継ぎ歩の6章からなっている。構成はまず、その歩の名の由来、利用方法、利用時期を述べた後、実戦譜での解説となる。実戦譜は古いものであるが参考になるものばかりが取り上げられている。後書にも書かれているが上巻は序盤に出てくる歩の使用法を取り上げているので内容はやや堅苦しくなっている。また取り上げられている定跡は少し古くなってしまっているのが残念。しかしこれらの欠点は些細なことでこの本の内容は将棋を指す上での宝の山である。手元に置いておいて損のない一冊である。