クレジットと異なり、ほとんどRozzの作曲。
★★★★★
あらゆる層に支持された、オールマイティなデビュー作
「Only Theatre of Pain」から、がらりとスタイルを変え、
クリスチャン・デスの方向性を決定付けた一枚。
デビュー作は、暗黒世界の中にも、Rickのギター・リフのおかげで
派手さ、娯楽性が満載だったが、本作はひたすら暗いので、
好き嫌いが分かれると思う。
本作から、Rozz以外のメンバーを一新し、
前座だったPompei99から3人が参加。
20歳になったRozzの声は16歳の少年のかすれた声から、
劇的に変わり、半分語りのような、抑揚の無いヴォーカルスタイルが
完成する。
詩も悪魔崇拝から更に精神世界へと深みを増し、
曲は彼の新たな歌唱法に完全にマッチしている。
Rozzのクリスチャン・デスを暗黒バンドにありがちな単調さから
隔てているのは、時折入るギターや効果的なバック・ヴォーカル、
そして何といってもRozzの声の魅力だ。
誘惑的でありながら、独特の気品がある。
この世界は更に次作「Ashes」で凄みを増す。
唯一不愉快なのは、後から加入して、単にギターを弾いていただけの
Valorが、グループ名同様、Rozzの死後は印税までも盗んでいること。
CDのクレジットは全曲Valor作曲ということになっているが、
9曲中7曲はRozzの手によるもの。
「Only Theatre of Pain」、本作、「Ashes」三部作が気に入った人は
Christian Death 「featuring Rozz Wiliams」とある作品を買うこと。