がんの宣告は、今においても重く苦しいものです。この数十年、がんを直すための研究は世界規模で進められていますが、切る、放射線を当てる、制癌剤を飲む、という肉体的にはかなりのダメージを受けてしまう方法が基本ですし、それをしたから必ず直るとは言い切れない状況は変わっていません。帯津先生は、がんを扱ってきた外科医という立場からホリスティック医療を提唱されている方で、がん宣告後の振舞い方についてこの本で紹介されています。がんと言われれば、誰もが不安になったり、落ち込んだりします。そして苦しい治療を想像しますが、がん治療は一つの方法だけではないこと、冷静に自分の症状を知ることの大切さを教えてくれています。身内が、がんの手術をするに当たり、まっさきに読ませていただきました。ホリスティック医療は、科学的証明がなされていませんので、医者と言う立場の方が扱うにはそれなりの勇気と覚悟を必要としていると思います。帯津先生は、患者のために、という視点に立たれればこそ、ホリスティック医療も取り入れられたのだと思います。本当に救っていただいた一冊です。