なぜなら、これまでのDWJワールドをつぎはぎしたかのようで衝撃が薄かったのと、主人公ニックに今ひとつ深みを感じられなかったから。(ニックは未訳の作品"Deep Secret"に登場したキャラクターだとのことで、そちらを読んでいたらまた違ってくるのかもしれませんが)
でも、一気に読ませてしまう力はさすがDWJです。
だがそこは、ジョーンズ作品。一筋縄ではいかない。
主人公達に降りかかる災難は雪だるま式で、どーなるんだか
先は見えず、ページをめくるのももどかしいほど。
最後まで目が放せない。
また異世界が舞台だが、ジョーンズ作品中もっともイギリスっぽい。
巧みに取り入れられたアーサー王伝説やケルト神話が、
物語を一層魅力的にしている。
そしてもうひとつ、「花ドラ」では少年と少女がの出会う・・・
ボーイ・ミーツ・ガールの物語でもある。
普通はここで恋が生まれるのだが、そこらへんは微妙だ。
思春期前期の主人公達は自分の事しか考えていないし。
そんな2人の関係も、よく味わっていただきたい。