日本にも「言霊」という概念がありますが、そういった「言葉の持つ力」を強く感じさせられる物語でした。
それに、私が今まで読んだジョーンズ作品の中で一番主人公に共感できた物語でもあります。
ゲイアが父親や姉弟に対して抱いているコンプレックスとか、それゆえに努力する姿とか…。
人間とドリグと巨人。それぞれの思惑に呪われた首環が絡み、収拾がつかなくなるかに見える三者の関係。
事態を打開する鍵となる「三つの力」とは?
やっぱりジョーンズ作品は、読み出したらとまらなくなるのでした…。
ダイアナさんの常連の方は、この本を読んだら"ん?いつもと違うかも"とお思いになるのではないでしょうか。いつもならドミノが倒れていくように、バタバタと色々な事件が起きて、主人公と一緒に物語に巻き込まれるのですが、今回はなんだか真面目なファンタジーなのです。
でも、普通じゃない展開はいつものとおりです。なんたって、巨人が××なのでございます。普通のファンタジーを読んでいたつもりだった私は、この辺で"ガン!!"と頭を殴られたようなショックを受けました、「やっぱ、あなどっちゃダメだぜ」。そこからは、殴られっぱなしです。
解説を読んで分かったのですが、初期の頃の作品ということです。初期の頃から、こんなオリジナリティ溢れる作品を書いていたのかと、愕然としました。「負けたよ、今度もあんたに負けちまったよ」って、感じです、ふー。これもまたお気に入りの作品になってしまったのでした。