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戦後史のなかの日本社会党―その理想主義とは何であったのか (中公新書)

価格: ¥1,029
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論新社
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左がね ダメな理由が わかる本 ★★★★★
1.内容
題名どおりの本、と書けばそれまでだが、あえて私なりの要約を加えると、戦後ほぼ野党第1党であった日本社会党は、そもそもから、左派と右派の対立が激しく、イデオロギー的にも相容れないものがあったが、ともかくも社会主義政党として統一した。しかし、ことごとく左右の対立があり、国民には広く受け容れられず、ついに議席数で過半数を取ることがなかった。国際情勢の変化もあって、社会党も変わろうとしたが、村山富市さんが内閣総理大臣になって劇的に変わった頃には、党の命脈がほぼ尽きている(現在も社会民主党は存在するが)。
2.評価→以下の理由により、星5つ。
私はまだ若く、戦後の厳しい保革対立の時代をほとんど知らなかったので、なぜ左の社会党が勢力を伸ばせなかったのか不思議に思っていたが、この本を読んで、疑問が氷解した。そりゃ、アメリカの影響が強い社会で、マルクス・レーニン主義など唱える政党が支持されるわけはないわな(せめて、社会民主主義を目指していた右派の勢力が優勢ならば、日本は多少は変わっていたかもしれない。もっとも、いい方かはわからないが)。また、どの政党も、周辺大国に翻弄されていること(主に自民はアメリカ、社会・共産はロシアや中国)もわかり、有益であった。最初のうちは、支持者(現在の社会民主党の)でもないのに何皮肉ばかり書いてるんだ、と思ったが、読み進めるうちにきちんと書いているように感じたことも好感が持てた。あと、共産党のダメな理由もわかって(暴力体質など)、よかった
万年野党の原因は社会党自身にある ★★★★★
本書はなぜ社会党は万年野党だったのか?という疑問に具体的なデータを下に答えてくれている。
1〜5章は結党から安保闘争までを通して、党内右派と左派の主張の違いなどによって社会党の問題を浮き彫りにしている。6〜7章は社会党と外国との関わりが述べられており、社会党が万年野党であるがゆえに北朝鮮以外のほとんどの国に交渉相手と見なされていなかったことが分かる。7章は細川政権から解党までを描く。
新書としてはかなり分厚いがこれでも社会党の全貌を描くには足りなかったらしく、例えば土井たか子は本書にはほとんど出てこない。その点が不満と言えば不満だが、社会党の問題点は十分に描かれていたので、非常に参考にはなった。
政権交代なき一カ二分の一大政党制の原因 ★★★★★
 1939年に生まれ、ケンブリッジ等の客員研究員となった、日米安保体制を研究する国際政治学者が、2000年に刊行した本。著者の政治的立場は、170〜175頁と終章を参照のこと。敗戦直後に西尾ら右派主導で、社民系(反共右派)、日労系(マルクス主義中間派)、日無系(労農派=マルクス主義左派)が合流して、日本社会党は結成された。ただし、彼らは軍国主義者と相互往復する素地があり、またGHQの民主化政策の後塵を拝していた。1947年一応第一党となった社会党は、右派主導で連立政権をつくり、日米結合体制を模索するが、党内左派の造反や小分裂により下野する。1950年前後、平和主義を採択した社会党は、総評と結合し、永久政権論・反米・前衛主義を掲げた左派の優位を徐々に明確化してゆき、1960年の右派離党=民社党結成や、市民社会主義=江田構造改革論の挫折をひき起こす。このように社会党は、党内の分裂を収拾しえず、裏面での熾烈な権力闘争と、表面での曖昧な態度を繰り返す。外交面でも、各国の冷厳な権力政治や党内闘争に翻弄され、日本の野党第一党としての存在感を示すことができなかった(ただし、自民党の対米交渉の際には、社会党の存在が役に立った)。80年代半ばに西欧型社民主義に移行したものの、結局社会変動から取り残された社会党は、1993年の自民党分裂まで、連立という形であれ政権交代を実現することはできず、万年野党に安住した。90年代半ばの、政策大転換=なし崩しの現状肯定と社会民主党への改称は、同党の衰退を決定的にした。主観主義的で現実から遊離した「理想主義」、しかも議会主義を軽視したそれ(要は対話軽視?)こそが、結果的に自民党一党支配を利し、政治不信を重層化させた、というのが著者の結論である。社会経済的分析の少なさ、院内闘争の偏重傾向はあるが、私は著者の姿勢に基本的には首肯できる。
始めに結論ありき ★★☆☆☆
面白いし、参考にもなる。
しかし、学者の書いた本としてはあまりに論証がずさんで、恣意性が露骨である。
まず筆者の仮設があり、その仮設に向けて一直線に、都合の良い情報だけを選んで掲載している感が強い。
類書がほぼ無いだけに、この点についての恨みは大きい。

値段から見たら充分な内容ではあるが。

日本社会党とは何であったのか? ★★★★☆
戦後、社会主義体制を志す諸派を統合し成立した日本社会党。
しかし、その歴史は米ソ冷戦から、中ソ対立、冷戦構造の崩壊など移りゆく
世界情勢に常に翻弄されながら、同党内部での右派・左派の鋭い対立と分裂、
そして統合の繰り返しであった。55年体勢下での「野党慣れ」、自社さ政

権の誕生と国内の政治が変動する中で階級政党と大衆政党の狭間に苦しみな
がら何時しかその「理想主義」はかつての野党第1党としての支持を失って
いった。この著作は、そうした戦後から現代に至る日本社会党の果たした役
割と問題点、政策の変遷を著者の厳しい批判と視点を交えながらまとめた一

冊である。新書の中では少々厚みのある本だが、勧められる一冊である。