噴火の仕組みと災害と
★★★★☆
著者の火山に関する入門書はたくさんあるが、本書では、噴火の仕組みと、噴火の際の減災に焦点を絞って語られている。
前半の噴火の仕組みは、マグマと、そのなかに含まれたり周囲に存在する水との関係で、噴火のタイプや激しさが変わってくることを説明している。非常に論理的で分かりやすく、また、火山研究の最先端が取り込まれているのが端々に感じられて頼もしい。
後半の減災という言葉は聞き慣れないが、「防災」に変わって提案されているものである。火山の場合、災害を防ぎきることなど無理で、被害を少なくすることしかできないということである。すなわち噴火の予知とその精度、事前の地域住民や行政の対策の問題が語られている。こちらもハザードマップの作成党、最前線のことが例示されており、意義のある内容だ。
火山について目からウロコの一冊!
★★★★★
火山噴火については中学の理科の授業でさわりだけやっていたがより深く突っ込んだことになると本書を見るまでわからなかった。第1・2章では具体的に火山噴火の仕組みを見ることができる。第3章では噴火の予知、第4章では噴火が起こったときの傾向と対策について、第5章は火山活動においてプラスの面において述べられている。つまり、マイナスばかりでなくプラスの面でも見られるので両面的に捉えられているので非常に面白い一冊である。また写真もあるのでわかりやすいといえよう。
火山に関する知的啓蒙書
★★★★★
火山列島日本。現在日本全国には108の活火山があるという。火山の成り立ちから噴火の種類、火山との共存、防災について述べた本。著者は「火山による災害は短期間で沈静化、そのあとには火山から恩恵を得る長い時期が訪れる」と説く。温泉しかり、観光業しかり。
順序立てたわかりやすい記述は、新書という知的啓蒙書の性格を著者がよく理解して仕事をしているからだろう。高校生でも理解可能な筆致である。良書。