少しハスキーでけだるい感じのい歌い方・・・分かりやすく例えれば、ノラ・ジョーンズ系です。
と言っても最近の傾向に便乗しただけの安っぽい音楽ではありません。この手の歌い手はたくさん聞いてきましたが、一歩抜きん出ていると思います。

ナチュラルで温かみがあって・・・「これが私！」という個性、主張もしっかり見せている。
歌はけっしてうまくはないんですが、実に味わい深い独特の魅力があります。

オリジナルアルバムでは、唯一マスタリングの酷さに閉口でしたが、ＢＥＳＴ盤のリマスターでかなり解消されました！

新譜が楽しみな数少ないシンガーの一人です。

美貌のジャズ・ヴォーカリスト、ベイ・シューのベスト・アルバムです。「天は二物を与えず」という言葉は、彼女には当てはまりません。
中国の重慶出身の彼女は現在ニューヨークで活動しており、インディアナ大学で会計学を学んでいただけあって英語の発音には何の違和感もありません。声質は意外と太くハスキーでその力強い歌唱が見た目とのギャップを生んでいるところも魅力です。

中国語による「エヴリシング」もしっとりとした雰囲気を漂わせながら上手く歌い回しています。MISIAのオリジナルの歌唱が耳についている曲ですが、中国語で歌うというアプローチは意表を突かれました。情感を込めて歌詞を大切にして大人の歌唱を披露しています。このようなしっとりとした歌い方は好きでした。

「Love me tender」も情感たっぷりに堂々と歌い上げています。ピアノのサイラス・チェスナットのリリカルな音色に乗せて、雰囲気を感じながら彼女の歌うこのバラードを聴いていますと、年齢も国籍も美貌も関係なく音楽に浸れました。ピアノは彼女のバラード唱法を支える重要な役割を果たすとともに、間奏や前奏での抒情的で雄弁な奏法は力量を感じさせるものでした。

松任谷由実の「A Happy New Year」では、新しい年を迎えながらもどこかアンニュイで寂しげな雰囲気が伝わってきます。出自のアジアンを意識したアレンジでしたし、静寂の中に熱い感情が流れているのが伝わる歌唱です。後半部分を日本語で歌ったわけですが、発音もさほどよくありませんので、無理をせず英語で通せば良かったのではと思っています。

彼女の多彩な魅力を満喫できるベスト・アルバムです。見とれながら聴き惚れました。

Bei Xuさん、素晴らしいね。
2006年のデビューの時点で知らなかった自分が恥ずかしい。
最初に聴いたとき、ケイコ・リーさんのデビュー以来の衝撃を受けた。

JAZZシンガーって「上手いか下手か」だけで判断する人ってスゴク多いけど、それだけじゃ足りないと思う。
一番大切なのは、マインドも風貌も生き方も含め、生粋のJAZZシンガーであるか？ということ。
そういう意味で、ケイコさんと同様にBei Xuさんも生粋のJAZZシンガー。
聴いているこちら側が心底、身をゆだねられるような「粋」と「風格」を既に兼ね備えている。
逸材です。心から酔えるシンガー。

今回のリマスター。。。じっくり酔わせていただいていますよ。
今度は是非LIVEで拝聴したい。身をゆだねたいね。

（「酒＆バラ」な雰囲気とは違う、モデル並みの健康的な美しいルックスが唯一の難点。困ったもんだ。）

過去に出した４枚のアルバムから厳選した音源を、Mixの段階から一番新しい耳と技術で再編集、再マスタリング（＝仕上げ）た作品です。Amazonでは、過去の作品のライナーで、残念ながら作品とは別の、個人的な感情で書かれた批判が多かった様に見受けられ、とても残念でしたが、純粋な制作意図と自分たちなりに妥協しないで磨き上げたこの４年間の集大成を、是非聴いてください。