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ブラームスの音符たち―池辺晋一郎の「新ブラームス考」

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 音楽之友社
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「脱・保守主義者」 ★★★★★
筆者がこだわっているのは「保守主義者ブラームス」というイメージの修正でした。
そして筆者が試みた音符解読からは、
ブラームスは次なる時代の音楽のあり方をうすうすと感じていたり、
また実験的なことも試しているという事実が分かりました。

個人的に興味深かったのは、ブラームスの4つの交響曲の調性と
ローベルト・シューマンの4つ交響曲の調性の関係でした。
つまり、ブラームスの交響曲の調性はシューマンの調性を2度上げたものとなっています。

シューマン   /ブラームス
第一番 変ロ長調/第一番 ハ短調
第二番  ハ長調/第二番 二長調
第三番 変ホ長調/第三番 ヘ長調
第四番  ニ短調/第四番 ホ短調
というようになっています。
私の邪推ですが、シューマンがブラームスに交響曲を書くよう勧めましたが、
それへの返答かもしれません。
ともあれ、本書は筆者の愛情に満ちたブラームスの本となっています。 
池辺先生はブラームスがお好き ★★★★★
本著の冒頭に書かれているが、実は池辺先生はブラームスがお好きだそうだ。何かそういう思い入れのこもった一冊である。前著のバッハやモーツァルトに比べて、池辺先生の作曲家ブラームスへの愛着が感じられる内容となっている。特に池辺先生は、ブラームスが「メロディーメーカー」だと指摘しておられ、我々素人の気付かない美しいメロディーを発掘して解説しておられる。特にブラームスのヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」への愛着が強いように感じる。