編著になっていますが、バイアム（Byham）とは何度か会って立ち話をしたことがあります。好々爺として紳士です。著者はＤＤＩ（Development and Dimencion Institute）の創業者の一人です。初めて来日した際は、その通訳は南隆男で、私の指導教授です。
原著は人材開発、特に人材評価の決定版で、行動特性のことを「executive competency」と呼んでいます。一方、悪癖のことを「derailer」（脱線要因）と呼んでいます。日本の代理店であるＭＳＣは、コンピテンシーとディレールメントと呼んでいるみたいですが、2000年頃に日本で最初にディレールメントという言葉を紹介したのは永井隆雄、私です。
私は若い頃に、ＭＳＣでアセッサーをしていたこともあります。行動観察にはよい体験でしたが、社風が体育会で、合わずに1年未満で退職しました。当時の看板講師は誰も残っていないです。当時、トヨタグループの人事評価をサポートしていた講師がいて、独立しましたが、ネット上に出てこないです。廃業したのでしょうが、まだ55くらいです。当時40歳代前半です。愛知県の進学校千草高校の出身で、慶應に進みましたが、彼が進学した頃、慶應法学部は偏差値55くらいで受験では三流、彼も高校では下から1割という落ちこぼれで、トヨタを相手にコンサルティングしていることを誇りに思っていたが、勉強家というと、そうではなかった。
ともあれ、名著なのに古本で700円なんて信じられないです。
この本は残念なことに、英語をちゃんと読める人材がいない会社の社長や役員が監修しているために、重要な部分が誤訳だらけです。なので、本気で格闘するなら、原著も一緒に読まれるといいでしょう。私は原著を2冊買いました。熟読していると、本がばらばらになってしまったのです。