国防に関する検討が欠けている
★★☆☆☆
地方分権について語るときに、常に欠けている視点として国防がある。
この書籍もその一つで、道州制についてまずは沖縄、北海道からという主張についても、経済的なことばかりが語られているところに、それが見え隠れする。
しかも、沖縄、北海道のために地方分権があると言うより、地方分権ありきで話が進んでいる事に疑問を感じざるを得ない。
お隣の国である中国は、堂々と日本を分割する計画を立てている、西側を東海省、東側を日本自治区にするというのです。
道州制を語るのは良い、しかし、それは日本のためであって欲しいと切に願います。
第二弾が出るようであれば、国防を抜かずに議論していただきたい、警察の話はしているのですから。。。
「地方分権改革」をキーパーソンが語る
★★★★☆
当書の由来は、西尾勝氏(東京市政調査会理事長、元東京大学教授)と新藤宗幸氏(千葉大学教授)の「地方分権改革」を題材とした対談(07年1月28日、2月5日。MCは西村美香成蹊大学教授)がベースとなっている。とりわけ、西尾氏は、1995年から2001年にかけて、国の「地方分権推進委員会」の委員として「第一次分権改革」に深く関わるなど、刮目に値する「地方制度改革」のキーパーソンと言ってよいだろう。
西尾氏は、本年7月3日、27次(01年)以来久々に、新たな調査審議を求められた第29次地制調(地方制度調査会。地方行財政制度全般にわたって検討を行う内閣総理大臣の諮問機関)の委員に委嘱されている。特に、この29次地制調では27次地制調における“積み残し(基礎自治体(市町村)に係る特例的団体の在り方等)”の検討も予想されており、またまた自治体関係者の間に、27次の際の「西尾私案」にも似た衝撃が走るかもしれない。
ここで、本書で語る「警察制度改革」(PP.48‾57)に触れたい。私の住む北海道は、本部・4方面本部・1学校・68署体制となっているのだが、議論の俎上に載せたいのは「警察署」の態様である。本道では、警視正署長を置く300人規模の署から30人規模の署まであり、警察署の組織は、その規模に関わらず、基本的に警務課以下“金太郎飴”型となっている。この結果、係は係長1人のみ、という小規模署もあり、実際、“年中無休”状態だそうだ。
私は、地方制度改革の一環として、北海道の広域性や交通の利便性、都市化の状況や人口分布等を勘案し、警察署の下位に派出所等とは別の、最低限の治安維持機能を有する<分署>の設置を提案したい。具体的には、小規模署あるいは薄野交番のような大規模交番等を<分署>とし、庶務部門や特殊な犯罪捜査等の機能は、再編整備した一定規模以上の警察署(又は機動捜査隊等)に集約する方がベターである、と考えている。