マーケティングの入門書
★★★★☆
マーケティングを基礎から学べる教科書です。具体的な事例を多く用いてるので理解しやすく印象に残りやすい内容となっています。
ただ、ページ数が多いので読み解く為に時間を割く必要がありますが・・・。
厚くて詳しい本のほうが初心者向きです
★★★★★
企業のマーケティング部門の人たちのすることだけがマーケティングではありません。営業部門の人たちのすることだけが営業でないのと同じです。マーケティングは市場調査だけでも、広告宣伝だけでもありません。全体から見ればほんの一部です。製品戦略をどう立てるか等は技術者の仕事です。
マーケティングの入門書を謳った薄い本は沢山あります。ですが、そういう本は説明が簡単過ぎたり、一部に偏り過ぎたりして、却って初心者には分りにくいのです。記述が少ないことで、逆に無用な誤解さえ生みかねません。この本はマーケティングの基本事項を詳しく丁寧に説明しています。分厚い本ですが、最初からこの本を読んだほうが薄い本を何冊も読むのに比べて時間も費用も少なくて済みます。
最初から日本語で書かれた本というのも大きな利点です。翻訳書のおかしな日本語を読むくらいなら原書を読んだほうが分りやすいということも多くあります。その上本書が引用する事例は日本人に馴染みのある企業ですので一層理解しやすいと思います。
引用文献はもっと載せてほしかったと思います。マーケティングは完成された学問ではありません。様々な考えや意見があります。興味を持った読者は原典に当たって確認したいはずです。それに、この本で紹介された様々なマーケティング戦略を誰が最初に言い出したか、ということも大切です。生産財やサービスのマーケティングについても、もう少し詳しい記述がほしかったと思います。
マーケティングの基本を理解するにはこの本一冊で十分です。これからマーケティングを勉強しようとする方々に自信を持って勧められる本です。なお、この本は横書きです。理系の人には読みやすいと思います。
マーケティングの概略を学ぶには最適の教科書
★★★★★
私は経営学部出身ですが残念ながらマーケティングは専攻せず、消費財の営業に従事する現在に至っても体系的にマーケティングを学ぶ機会はなく耳学問だけでなんとかやってきました。
そんななかで一念発起、原点に帰ろうと思い、この分厚い一冊を手にとりました。
クオリティは文句のつけようがありません。ぱっと読んで分かりやすいとまではいえませんが、きちんと、そして、実際の事例を考えながら読んでいけば、理解が十分に進むようになっています。なじみ深い企業の事例を数多くひいていたり、各章の終わりに例題を提示したりと、読者のイメージを膨らませて理解を促す工夫がされていて、例えば大学のマーケティング系のゼミのテキストとしても、ビジネスマンが自分の仕事、会社にあてはめて考えるタネ本としても、非常に有用な本といえます。
ポーター、ドラッカー、クリステンセン、BCGなどなど、およそマーケティングの世界で基本的な考え方として定着している大家たちの理論が分かりやすく解説されていて、この一冊を読めば、基本中の基本が網羅できる感じです。最後に1点だけ欲を言わせてもらえれば、各理論をより深めていくために、参考文献を載せて欲しかった…。今後本書を手にとる人のために、次回改版のときにぜひ検討をお願いしたいです。
文句なしの5つ星
★★★★★
日本人が書いたマーケティングの全体を体系的に解説するテキストとして、今まで読んだ
中で一番良かったです。
本書のポイントは以下の3つと思います。
●ダイナミック、偶有性の視点
マーケティングを静的なものではなく動的で、ダイナミックに変化するものと捉えている。
自らが作り出す市場需要に自らを適応させていく、すなわち自らの存在根拠を自らが作り
出すという、必然的に矛盾を孕んでいるものとしてマーケティングを捉えている。
半ば規則的で半ば偶然の出来事という意味での“偶有性”をマネジメントしていこう試み。
このあたりは著者の一人である石井氏の本「マーケティングの神話」を読むとよくわかる。
●日本の事例
本書に出てくる事例は、日本の、あるいは日本人が良く知っている企業・商品のみ。
流通・取引なども日本特有の問題に触れており、日本人としては内容が頭にすんなり
入ってくる。
●分厚いが分かりやすい
入門書と言うわりには、かなり重厚なつくり(要は分厚い)になっているのは確か。
ただし、各章のはじめに、その章で議論することや前後の章で扱う内容との関係を
明らかにした「Navigation」や、要点をまとめた「Essentials」があることと、
そもそも章立て・構成が上手に分かりやすくできていることとなどにより、とても
読みやすく、分かりやすい。
マーケティング初心者はもちろん、あらためてマーケティングを体系的に学びたい
中級者以上にもおすすめしたいです。
基準となる書
★★★★☆
一般的なマーケティングとは
どういうことを言うのかということを
おおまかにとらえた本だと思います。
ドラッカー、コトラー、クリステンセンなどの
理論を大まかに学ぶことができます。
理論の独自性はありませんが、アメリカで
発信されたマーケティングの知識を体系化
した本として評価できます。