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百貨店ガール

価格: ¥1,000
カテゴリ: 単行本
ブランド: メディアファクトリー
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高く設定した「ありたい姿」に近づくために ★★★★★
「おもてなし」は、考えるのでなく、感じるものだとは思いつつ…
「おもてなし」について読んでみた。

本書は、高島屋のご案内係(インフォメーション業務)の奮闘記です。

受付・エレベーター運転・店内放送を担うご案内を「ただ単に売場を
教えてくれるというより、やさしく相談に乗ってくれる温かい人」と
ありたい姿を高く設定しています。
ありたい姿に近づけるよう日々心がけているコトが本書にあり、
一つひとつが自らを省みるきっかけを与えてくれます。
品格の原点 ★★★★★
海外に訪問すると、時々日本人の文化について、現地の人から質問
されることがあります。どうしてそう一生懸命働くの? これが一番
多い質問です。毎度、日本の歴史や文化から説明しますが、この本を
偶然見つけたので、書かれてある内容を先にそのまま紹介しようかと
思っています。

みんながみんな働かされているんじゃなくて、働くことが凄く楽しい
と思っている人もいるし、社会に貢献していると実感できる唯一の場
でもあり、日本文化を凝縮した部分もあって、その根底に美意識が隠
れ潜んでいると自分は考えています。

ビジネス大国である日本では、顧客満足に対する努力は、恐らくどこ
の企業も怠っていないと思うのですが、著者が勤める百貨店では、老
舗ならではの伝承のノウハウによって培われたものであるため、その
中でもTOPを走っているでしょう。

自分の百貨店にないものを尋ねられても、となりの百貨店においてい
ることまで調べておられ、そちらにあることまで教えるどころか、在
庫があるかどうかその場で確認しましょうか?ということまですると
か?

道を聞かれることも多いから、店舗周りの地図は頭に全部記憶してい
ることは当然で、究極は、店員さんは中にいるから外の天気がわから
ないため、店内放送でさりげなく音楽を流し、この曲が流れると雨が
降ってるという合図となるらしく、それを知った店員さんは、商品を
渡すときに濡れないようにカバーをさりげなくかけておくというサー
ビスまで考えられています。

あくまでお客さんは、百貨店でそれを買いたいのではなくて、その商
品が欲しいことがニーズであるのだから、まずそれを第一と考え、た
とえ、今日買っていただけなくとも、いずれまたお越しいただけるよ
うに、小さな信頼を積み上げていくという姿勢が顧客満足につながっ
ていくという考え方が随所に書かれています。

私自身、接客業とは、ほど遠い職種でも、プロとしての仕事の心意気
には本当に参考になることがたくさんありました。 超人のような人
なのかと想像してしまいがちですが、経歴を見ると、挫折しておられ
る部分もあり、ごくごく普通の女性像も見受けられるので、もしかし
たら自分も相当な努力をすれば、何とかたどりつけるんじゃないかと
いう親近感も感じられます。

日本人の品格を意識させてくれる一冊で、ビジネスで外国人が表面だ
けのCS(顧客満足)を説いてきたら、日本ではこういうノウハウを
持っているけれど、貴方たちはここまでできますか?と、少し自慢し
てみたい気持ちにさせてくれる本です。