しかし、である。ピアノで演奏しようが、良い演奏は良いのだ。それがこのペライアによる1枚。個人的に彼のモーツァルトにはあまり感心しなかったんだけど、バッハを弾かせると実にいい。切れがありつつ気品がある絶品のピアニズム。この演奏を聴いていると、やれピアノだチェンバロだ、などと議論するのが馬鹿馬鹿しくなってしまう。「クラシック曲は、書かれた当時の様式で」という昨今の風潮を㡊??見事ペライアが「音でねじふせた」1枚。
クラシックに、「スタイルが新しいか、古いか」など無意味だ。あるのは「素晴らしい演奏か、そうでないか」である。素晴らしい演奏のこの1枚。これらの曲をチェンバロでしか聴いた事のない方に、ぜひこの1枚を。