精緻。出会えてよかった演奏
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ゴルトベルク変奏曲のCDは8枚ほど持っていますが、その中でもお気に入りの一枚です。ペライアさんの演奏を一言で表すなら「精緻」だと思います。スピードを追い求めるあまり一つ一つの音が聞き取りにくいCDもありますが、この演奏は全ての音が非常にクリアに聞こえてきます。ゴルトベルク変奏曲は元々チェンバロに似たクラヴィアという楽器のために書かれたものらしく、演奏家によってはノンレガート気味に弾いてクラヴィアをシミュレーションした奏法を取っている方もいますが、ペライアさんの演奏はピアノという楽器の持つ素晴らしさを最大限発揮した紛れもないピアノ楽曲に聴こえます。バッハのおじさんが聴いたらどのような反応を示すものか、などという空想までしてしまいました。この楽曲は全曲、基本的に 前半16小節、後半16小節、というAB構成で、演奏家によって AB、AAB、ABB、AABBという具合に様々な構成を取っていますが、このCDでは全曲AABBと繰り返しが入っています。それもただ繰り返している訳ではなく、初回はスタンダードな演奏、繰り返し時は独自の装飾音等を追加されており、AA'BB'という構成で、聴く度に新しい発見のある演奏です。
古来から伝えられている音楽理論にのっとた素晴らしい演奏!
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感情にまかせて演奏するクラシック演奏家が多くなった今、マレイ・ぺライアの演奏は音楽表現法を充分に理解した上で、彼独特の表現とテクニックでこのゴールドベルグ変奏曲は魅力有る曲に仕上げられていると思います。
バッハが弟子のゴールドベルグのために書いた練習曲ですが、このぺライアの演奏はとても価値の有るものです。音の美しさや表現力は世界のトップピアニストだと思います。
こんな素晴らしいピアニストがあまり知られていないのが残念です。
感情移入が出来る演奏
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グールドの演奏は全体としてはメリハリはあるが、ひとつひとつの変奏曲自体は時として早すぎて、メリハリが失われ感じがします。
その点、ペライアの演奏はひとつひとつがしっかり引かれ、感情移入しやすいと思います。
グールドはもちろんすばらしいけど、ペライアも別の意味ですばらしい。
両方もっていてば、両方必ず何回も聞きたくなります。
心が洗われる素晴らしい演奏
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これまでグールドしか聞いてませんでしたが、ペライアの方が暖かくて、澄み切っていて、深みがあります。CDジャケットにはペライアの解説がついていますが、この曲はイエス・キリストの十字架上の死と復活の意味が隠されているんですね!知りませんでした。ペライアは指の故障により悩んでいた時、バッハを深く研究し、慰めを受けたと聞きました。本当にこの曲の深いところを十分に理解して演奏しているので、こんなに素晴らしいんですね。最高の演奏です。
これは良いですね!!
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バッハ演奏では私的に久々のヒットです。
文句なしに純粋に「ゴールドベルク変奏曲」の楽曲を楽しめます。グールドがいつも省略している繰り返し箇所もきちんと演奏されているので、とても良いです。「グールドとどちらが良いか?」は完全に好みの話なので好きな方を選ばれると良いかと思いますが、ペライアの演奏も解釈、音色ともにかなりのハイレベルでバッハを楽しませてくれます。
初めて「ゴールドベルク変奏曲」を聴く方であれば、繰り返しを演奏している分、私はペライアをお薦めします。