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死神の精度

価格: ¥1,500
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 文藝春秋
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厚い雲の上に ★★★☆☆
現時点で既に3桁にのぼって寄せられているレヴューが、このページに目を通している貴方の読書欲の背中をぐっと押してくれるでしょう。「名前は聞いたことあるけど読んだことはない」人にとって、正に敷居となれる作品です(だからこその★3つ)。

個人的には本作が初めて読んだ伊坂作品で、最初に本作の頁を繰ったのは正解だったと思っています。複数作品を読了した今になってみると、筆者の持つ個性のエッセンスが一揃い備わっています。これほど脳裏に映像化し易い文体は、おいそれと書けるものじゃありません。もし死神を演じさせるなら…キャスティングを考えながら読んでみて下さい。

生まれる前の状態に戻るだけだ。怖くもないし、痛くもない ★★★★☆
 伊坂幸太朗という名前は嫌いです。「重力ピエロ」とか「鴨とコインロッカー」とかという題名にも軽さやケレンを感じ、ケッ、平成の赤川次郎かとも思います。この作品の一読感もしかりで、図書館から借りて防水カバー付きだからと風呂に入りながらさっと読み飛ばしました。

 けれど、意外に痕を引く哲学が透けるような一文が妙に残るのです。何で、こんな軽そうなヤツにとも思いましたが、何度か繰り返される「死ぬというのは、そういうことだろ。生まれる前の状態に戻るだけだ。怖くもないし、痛くもない」と「わたし、自分と他の人が同じことを考えたり、同じことを考えたりするのって、すごく幸せに感じるんですよ」の箇所は、58歳というこれからの老境の身にとって、意外に説明力を持って躰の芯を軽くえぐり、それからナント安心立命の境地に達する暖かさで迫るのです。今朝、目覚めたとき、死を何とも感じませんでした。

 で、いまの瞬間は、すこし感心しています。このひとは、現代における小説家という役割を果たしているクリエーターだとも、すこしだけ想います。
手軽 ★★★★☆
死神は対象の人間と接触し、その人の死について「可」または「見送り」の判断をする。
死神と言う非現実的な設定を作り、その設定をうまく生かして感動や笑いを誘う物語。

設定によってミステリーがミステリーでなくなったりする。
この設定の使い方が非常にうまいなあ。
ただ、予想外の展開はなかった。

生死観について重々しく論じられているわけではないが、ところどころででてくるセリフにそれがにじみ出ている。
「人が死ぬことは特別なことではない」
「人が死んだのは、『可』の報告が出されていたからだ。不思議なことはまるでない」
「人間というのはいつだって、自分が死ぬことを棚に上げている。」
「人が生きているうちの大半は、人生じゃなくて、ただの時間、だ」

意図的に軽く読めるように作ってあるのでしょう。
また、死神と言うある種達観したキャラクターに語らせることによって、偉そうな感じを薄めている。
それでも癇に障る人には障るだろう。

良く言えば読みやすい、悪く言えば薄っぺらい。
良くも悪くもこの作者らしい作品。既存のファン向けか。
私はけっこう好きです。

この作品は文庫になっています。
死神の精度 (文春文庫)
読みやすいが、、、 ★★☆☆☆
タイトルが気になっており、初めて著者の作品を読みました。

一人の死神と、その死神が出会う死亡候補の人間達との関係が淡々と流れるように書かれており、内容は大変読みやすく、読後はすっきり読みきれたという印象を持ちました。が、読みやすい反面、物足りなさを感じてしまいました。流れが淡々としすぎているという印象。

というのも、一つの物語が短編なので抑揚の無い展開だとどうしても深く入り込めずに終わってしまうという具合です。一つの物語が、もう少し続けばまた違った評価となるかもしれませんが、コレに関しては読みやすいという評価のみとしました。

ただ、この評価には「小説はガッツリと深く長く読み込みたいし、驚きやどんでん返しを期待してしまう。」という個人的な好みが影響されている面があり、短編作品がお好きな方にはオススメできます。
日常の描写がまた読みやすさを加速させていることもありますし、寝る前に一編ずつ軽く読もうというような読み方なら○。

著者の別の長編作品に期待して、星2つ。
人が生きているうちの大半は、人生じゃなくて、ただの時間、だ ★★★★★
初出は『オール讀物』2003年12月号から2005年4月号及び『別冊文藝春秋』255号。単行本は2005年6月リリース。伊坂幸太郎の創り出すキャラクタの中でも出色の一人、死神『千葉』がステキだ。

伊坂の手にかかると死神は、
1.CDショップでひたすら音楽を愛し、
2.苗字に街の名前を持って、
3.受け答えが微妙で、
4.素手で触ると気を失わせ、寿命を1年短くする
者となる。この辺の削り込みが良い。

短編6作だがぼくは最後にいくほど好きだ。『旅路を死神』・『死神対老女』の味わいは他の作家では得られない。