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北の十字軍 (講談社選書メチエ)

価格: ¥1
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 講談社
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倫理的にどうかと思う・・・ ★☆☆☆☆
中世ヨーロッパの法制史研究で有名な山内氏による北方十字軍の概説書。ここまでネタ本(山内氏自身が後書きで明かされていますが)に忠実な本もあまりないので・・・。わが国ではあまり知られていない北方十字軍を世間に知らしめるという意味では好著なのかもしれませんが、ネタ本を知っているものとしては、学者がこんなことをしていいのかと疑問に思ってしまいます。また、著書がネタ本を離れてどれだけ同時代の関連文献に当たったのか、疑わしいことこの上ないです。

素直にネタ本の翻訳にされていたほうがよかったのではないでしょうか。

西欧拡大思考の根拠がわかる ★★★★☆
近代西欧世界は彼らから見た異教徒に非寛容な拡大主義をとったが、その精神的、法的根拠を熟成させたのが、中世期に行われた北、バルト地域の異教徒に対する十字軍活動だと説く。
北の異教徒たちに対する軍事的征服根拠を宗教に求め、正当化する。現代では宗教が人権・平等にすりかわる。西欧理念の発展過程が分かり面白い。

ただ、バルト海近辺の地理に明るくない読者には地図が少なく、叙述部分がどこで展開しているか分かりにくい。