和して唱えず
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四書五経のみならず中国の詩歌史書随筆から、諸橋轍次大兄が選んだ中国古典の名言。
書籍別の分類だけでなく、自然、人間、道徳などの項目別にも検索できる。
日がな眺めて倦むことがない。
本日見つけた名言『和して唱えず(和不而唱)』
意は、あの方は、人の意見にうなづくばかりで、決して自分の主張を声高に唱えることはなさらないが、人望がある。
訳は、私なので、正確にはこの辞典をごらん下さい。
使うたびに感動します!
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中国古典は、この一冊なしには学べないとさえ感じます。何かあればすぐに開くので、手が届く場所に置いています。 確かに字が小さいのは辛いですが、これだけのスペースに主な名言が網羅されていますし、解説はコンパクトながら必要にして十分な内容。索引も充実していて、調べやすくなっています。
素晴らしいの一言に尽きます。 諸橋先生の偉業に感謝したくなります。
重宝してます
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私の持っている講談社学術文庫版の「中国古典名言事典」には、昭和54年3月30日第1刷発行の奥付がある。最新の版でも活字が大きくなりつつある昨今の文庫版にあって、本事典の活字ポイントは今でも変わらない小ささ。ページ数も1200で変わらない。30年間全く陳腐化しなかったというわけだ。だから再販が続く。変わったのはお値段だけ。それだけ本書が名著だということだ。
本書の特徴は、索引が非常に充実しているという事であろう。縦横無尽にいろいろと検索が出来るようになっている。
自然、人間、人生、家と社会等々という大項目の件名から入っていって、中項目、小項目へ・・・・・。また、人名略解、語句・人名索引がある。
中国の古典は何かにつけ、役に立つし、知っていて損はない、日本に住んでいる限り、あちこちに出てくる。
本文庫はそのようなときに、ちょこちょこっと、パラパラっと調べる事のできる実に重宝する事典なのだ。
中国の持つ「知性」
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買った途端に座右の書になる本もなかなか無いものだ。本書は嬉しい例外である。
類書に比べても 量の多さは圧倒的である。これをぱらぱらと見る限り かつての中国が持っていた「知性」のすさまじさには いささか呆然とする次第だ。これを見る限り 古代の東南アジアの「知性」は 西洋をある意味圧倒するものがあった点がよく分かる。
この本で読む中国と現代の中国の「落差」にも 驚くべきものがある。但し 良く考えてみると かつて持っていた知性が無くなるということもありえないような気もする。
インド人は数学が得意だ。ユダヤ人は科学や金融界に強い。日本人はモノヅクリで有名だ。そんな中に中国人を考えてみると 「思想」という面では 実はものすごく強いのかもしれない。
最近の中国の世界における存在感の大きさは 別に中国の人口が多いからだけではない。僕らは 今の中国を理解しようとするなら まず 彼らがそもそも持っていた「思想力」の強さを良く勉強する必要がある。実際 「老子」であるとか「荘子」が最近 そう2000年の年月を経て 日本でブームになっていることを見ても 中国の「先進性」が解るというものだ。
そんな勉強には うってつけの一書だと思う。
生涯の一冊
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最初、文庫版を買ったのですが、文字が小さく、とにかく見にくかったので、卓上版[新装版]を買い直しました。文庫版が2,000円(税別)で、卓上版が4,700円(同じく税別)ですので、よほど文庫版にこだわる方以外は、こちらの方がお得のような気がします。できれば、この中間の大きさの版があるとありがたいのですが。中身については他の評者の方の多くが述べておられるように、とにかくすばらしいの一言です。さらに深く知りたいということであれば、原典にあたるか、専門書を読むかすればよいわけで、この事典は中国思想を深く知るための恰好の入門書になっていると思います。一生、机のそばにおいておきたいと思う本は、そうそうはないのですが、私にとってこの本はその数少ない一冊になりそうです。