本書の例題をすべてマスターすれば、センター試験の対策は他に必要ないと思います。センター試験の難易度は、ちょうど標準的な理系の入試問題と考えてよいと思います。つまり、全国平均点をとれば、偏差値が５０前後の入試に対応できる実力とみなすことができます。

本書を繰り返し解く事で、８０点には容易に達することができます。それ以上の高得点は、難関大学で必要な知識を学習することで可能となる得点であるため、本書にはその役割までカバーする必要はないでしょう。（理系受験生はほぼ全員が満点を狙ってくるとおもいますが、難易度によらず、実際の平均点が６０〜７０に収まっているのが何よりの証拠です）
つまり、８０点以上の得点を得るには、他に二次試験向けの対策をすることが必要で、本書の位置づけは『センター試験で確実に８０点を確保する』ことにあると考えてよいでしょう。

その意味で、８０点の確保に必要な良問題を網羅しています。しっかりとマスターすればいいと思います。

今年は新課程１年目であり化学など理系科目は新課程の予想がたてにくっかたと思います。
そして河合塾のＨＰの予想は当たりましたが照井先生の理論と有機だけで７、８割の配点は見事に外れました。問題を見た方なら分かると思いますが大問１からいきなり無機です。

本書は照井先生の予想通りの内容構成です。
無機が２テ−マしかありません。しかもその２テ−マの網羅性の低いことはこの上ありません、これからこの本を使う方は自分で補強するなりの処置は必要でしょう。本書が無機と理論しか載せていないら評価は２なんですが有機の解説は素晴らしいです。少ししんどいかもしれませんが有機は完璧に覚えれば強力な武器になります。

学研と照井先生がもう一度新々課程版としてこの本を改訂することが先ず必須でしょう。