maxわかる群論(&リー群)入門です
★★★★★
雑学家さんのレビュウをみて、読みました。
200ページ余のコンパクトな本で、1章加群、2章群、それに付録「lie群」の説明
です。
後ろのほうが、つまり付録の「Lie群」が、巧みな図を使った具体例を数多く示して
明快に説明してあり、はじめて読むシニアの私にも、読める書き方でした。
1章、2章も身近な具体例がたくさん例示され、イメージがわく書き方になっています。
円周にバス停を並べた「加群」の説明や、行列群の説明はとくに明快だと思います。
昔、経済学部に入学したら1年の時「現代数学」の授業があって、正方形の群の演算を
ならったことを思い出しました。
群論というと、何か、当たり前のことを記号化したもの、という印象があって、本書でも
1章、2章は、素晴らしい説明とは思いつつも、どうも、じっくり読むのは難しい。
それに比べると、本書付録は、どういうわけか、とても面白いと感じました。
リー群、リー環が、何か不思議な物体のように思われます。
ディンキン図形とリー群の対応の所が、すこしはしょった書き方になっていて、もっと別
の本を読みたいと思いました。
やさしく分かりやすい本です
★★★★☆
はじめて手に取って見た時、文字が細かく一見 読みにくそうで他の本を読んだりしていたが
また気になって読み始めると、この本が群論の入門として最高でした。的確に具体的な例を提示して抽象的な議論を分かりやすくしてくれます。もっと参考書として喧伝されても良いのにと思います。
群の定義は簡単で、結合法則をみたす二項演算が定義され、単位元という特別な元が存在し、各元に逆元が存在すること。
こんな簡単な概念が「対称性」を記述する強力な道具であるということが驚きである。
同形とは2つの群の間の元の対応が、1対1で、各々の元の集合が同じ群の表をみたしていること。
準同形とは群の間の元の対応が、2対1(または多対1)で、しかし積の関係は保存されていること。
剰余類を考える利点は、無限個存在する数を有限個に類別して考察しやすくすることにある。
可換群(アベール群、ガロア群)の場合には右剰余群と左剰余群は常に一致する。また有限群の場合左右の剰余群の個数は同じである。 Gを自然数の集合とすると、その元aのすべての冪a^nからなる集合をHとすれば、HはGの部分群である。具体的な例でa=3とすれば、その冪はH={3,9,27,81,・・}で部分群。これは巡回群で可換群でもある。数値の3は生成元という。第1章は加群で完全系列、行列の基本変形、アーベル群の基本定理、第2章は群の一般論、第3章は多様体とリー群の解説と内容も豊富です。ぜひ文字の大きい大判での復刻出版をして欲しいものです。整数論の合同式、類別、剰余類は「すぐわかる代数」石村 園子、「素数夜曲」吉田 武 、「入門入門群論」石谷 茂、などやさしく書かれた本で足ならししてから読もう。ネットでも群論は「物理のかぎしっぽ」、「らいおんの家」や
www18.ocn.ne.jp/‾hchibaでも
わかりやすく解説されています。