本作と次回作『嵐を呼ぶ男』で裕次郎ブームを決定づけたムード・サスペンス。裕次郎が歌う同名主題歌も大ヒットした。兄の石原慎太郎の脚本で、『風速40米』『憎いあンちくしょう』など裕次郎主演作品を数多く手がける蔵原惟繕監督の第1回作品。
過去に人を殺したことのある元ボクサーの主人公は、ブラジルへ渡った兄が迎えに来るのを待っていたが、実は兄はブラジル渡航前に港を取り仕切る暴力団に殺されていた。そのことを知った彼は事務所へと単身乗り込んでいく。そこでの裕次郎と二谷英明との対決シーンは、封印されていたボクサーの血がよみがえり、単なる勧善懲悪を越えた、肉体と肉体のぶつかり合いのクライマックスを迎える。まさにタフガイ裕次郎の真骨頂ともいうべきだろう。北原三枝も、アンニュイなムードで好演している。(堤 昌司)
哀愁漂う名作。
★★★★★
まるで往年のフランス映画のような邦画です。すべてがロマンテイックでほろ苦い哀感に満ちてます。モノクロがとても美しく主人公の内面を表わしているようです。ラストのキャバレーでの格闘シーンは日本映画史に残る屈指の名場面でしょう。
クールな裕次郎の演技!
★★★★★
マーロン・ブランド主演の「波止場」の筋書きに似ていますが、裕次郎がクールな演技で一貫していて好感が持てた(暑苦しくないのだ)。
しかし彼はシルエットがきれいですね。足が長い!!
コート姿がすごく決まっています。
また本作では二谷英明との格闘シーンが迫力あるのですが、
二谷さんも若くハンサムで驚きました。
裕次郎を待ってるぜ
★★★★★
~裕次郎というと、タフガイだとかアクションスターとかいうふうに形容されるが、それは彼の魅力の一端に過ぎない。確かに、それまでの様式を打ち砕いた自由なアクションは秀逸だが、そのナイーブさや、デリケートで不安定な心の動きがあってはじめて、そのアクションが真実味を帯びるのである。そういう点では、たたみかけるような娯楽アクションの「嵐を呼ぶ~~男」よりも、情動が暴力として噴出される過程を描いた「俺は待ってるぜ」のほうが裕次郎らしい。そして彼がすごいのは、それでもどろどろした陰湿な感じがないということだ。この日活時代の裕次郎でなければ、この作品はお笑いの三文芝居になるか、重苦しい復讐劇となってしまうだろう。~