石原裕次郎は、義母役が話すところの「時間を掛けて良さがわかる男」を演じています。いつもと同じですね。本人を意識して映画は作られたのですから、かっこいいのは当然です。
でも、この映画の本当に素晴らしい点は、北原三枝と芦川いづみの存在にもあると思います。
時折見せる彼女達の顔のアップは、意識的に、ほんの一瞬だけ静止画のように留(と)まったりするのですが、それが観る者をグッと惹き付けていくのです。
このようなイメージを持つ女優が現在、全く存在しない事が残念でなりません。
シナリオの人物設定が完璧で、登場人物が無理な展開をせず自然に変化していくところが、長時間疲れずに観る事ができる一つの要因だと思います。
コミカルな演技は笑えるシーンが多く、特に「ジミー小池」の歌は必見です。
リアルタイムで観た女性方に当時の感想を伺いたいです。
10月は東京の映画館で、芦川いづみフェアが開催されます。
とても楽しみです。