恥辱にまみれた女の描写が秀逸
★★★★☆
祖父の代から続く料亭を経営する女将(絹代)とその妹(久美子)が、不渡りが出そうなその料亭を何とかしようとして、悪徳金融業者の罠にはまり辱めを受けるというストーリーです。絹代は日本舞踊を習っていたりする和服が似合う女性、久美子は空手二段の活発な女子大生と、姉妹と言えども対照的なキャラクターです。この久美子が、かつて野次馬たちの見ている前で、投げ飛ばして大恥をかかせた悪徳金融業者たちに、逆に全裸で緊縛されて服従を誓わされるところなど、恥辱にまみれた女の描写に興奮させられます。この作品は昭和57年ににっかつより志麻いづみ主演で「黒髪縄夫人」として映画化されています。脚本も団鬼六が手がけているのですが、原作を読む方が断然良いです。