ゲームブック世代の私としては、著者・鈴木直人さんのゲームブックはだいたい持っているのですが、21世紀になってから刊行されたこの「チョコレートナイト」は、青春時代が過ぎた私ではありますが”いつか買おう”と思っていた一冊でした。
文章は1ページ2段の縦書きで、見慣れない形式にやや戸惑いましたが、あの頃のゲームブックをプレイする楽しさは十分に堪能できました。
ただこの本は、明らかにゲームブック入門書として書かれていると言えますので、「あの頃」のコアな内容を期待して買った人はかなり肩透かしを食らうと思います。
文章も全体的にあっさりとしていてかなり読みやすくなっていますし、設定はほのぼのとしたファンタジーです。戦闘もそれほど多くありませんし、パズル要素が強い作品です。
ただ、昔のゲームブックを知っていて、これが「どんな作品なんだろう」と興味がありつつも購入を躊躇しているのでしたら、迷わず買ってしまうことを強くオススメします。購入は次回作品の製作費みたいなものですからね。