ゲーム+小説の面白さが魅力のゲームブックですが、この『展覧会の絵』はストーリーが重視されています。小説としての文章も描写もしっかりしています。親友と抱き合うラストシーンは感動です。ゲームとしては、システムが簡単で初心者でも取り組み易く、双方向(いわゆる迷路)と一方通行を上手く使い分けています。米田仁士のイラストもうまくマッチして華を添えています。
かつて一世を風靡したGBの最高傑作の一つです。15年後に復刻版が出たようですが、それだとちょっと高いですよね。あえてオリジナル版のレビューを書く理由はそこにあります。
クラシック音楽の『展覧会の絵』を聴いたことのある人には、曲のイメージを損なわないアレンジヴァージョンの一つの形として楽しんでもらえます。
「そんな曲知らない」という人は、読了後に是非聴いてみてください。誰でも一度くらいは耳にしたことのあるような有名な名曲です。曲も感動的です。