“自分”との距離
★★☆☆☆
初エッセイ集「ジャーナル」がエッセイというよりはポエムだったので困ってしまった、という経験をふまえて、恐る恐る読んでみました。本書はポエム集ではなくなったんですが、やっぱりエッセイかなぁ、これ?という読後感。何か、自己啓発本っぽい語り口。身辺雑記ではなくて、ウェブ上で良く見かける様な自分語りに終始していて、具体的な事柄をほとんど書いていないのが、自己啓発本っぽい仕上がりの理由かと思います。私は甲斐さんの、“自分”を語る文章はどうやら駄目みたいです。確かに自分自身を文章にするのは、どの程度“自分”を突き放して書くか、距離の取り方が難しいですよね。そこのところが私の趣味に合わないようです。★二つの理由はもう一つあります。甲斐さんの理想とする女の子像が、私の苦手なタイプなんです。料理上手になる為には、綺麗で魅力的な女の子になる為には、彼氏が必要、みたいな文脈って、女性らしくないと感じてしまいます。まあ、自分のイメージする女らしい女性が、男気のある、孤独に強いひとなものですから、こればかりは考え方の違いで、仕方ないですね。