この本はおもちゃ箱に相当する。
★★★★★
ソフトウェアテストフェーズというのは、ソフトウェア構築全体の遊びの跡が表現されるフェーズである。従ってそこでの結果はおもちゃ箱ということになる。箱の中に残ったおもちゃを良く分析・グルーピングすることで遊び手(ソフト作り手)が何故不具合を作ってしまったのかが仮説を含めて詳細に報告できる。この本はその助けとなる知恵が各章ごとにプロセスチェックリストとして纏められ、テンプレート、様々な事例が補足してくれている。それがタイトルの「12の必勝プロセス」として活かしてほしいとの意志表示だろう。不具合を分析する際の教本では「ソフトウェア要求:Karl.Wiegers:上流部分」と「ソフトウェアの欠陥予防:Marc.McDonald 他:中流部分」が役だった。Rex Blackのテストの世界を是非堪能してほしい一冊だ。
優秀なマネージャのやり方を仮想体験
★★★★★
マネジメントを覚えるなら優秀なマネージャにマンツーマンで教わるのが一番効果的でしょう。しかし、なかなか、その優秀なマネージャが存在していません。反面教師として見るのもよいですが、やはり自己流ではなかなか会得までの道のりは厳しいものがあります。
ソフトウェアテストを実際に進める上でも、教科書通りにテストを実施するだけではなかなか成功することはできません。テストプロセスをきちんと組み立て、それを上手に動かすことができて成功するのだろうと思います。
この本では、ケーススタディとして、ひとりのベテランマネージャが登場します。まあ、架空の世界ですし、なかなか敏腕なマネージャですからそのまま自分がやることはできませんが、ひとつひとつの手法の真似をしながら、人を動かす基本を学べるなかなか面白い手法の本です。
テストという作業はストレスが掛かり気味になりますが、ぎすぎすした職場を作らないためにも、お勧めしたい一冊。