デビュー作「レッド・バイオリン」に続く今回のセカンドアルバムでは、アーティスト川井の編曲のワザを堪能できる。彼女のオリジナル4曲に加え、クラシックの名曲6曲を彼女独特のアレンジで編曲し、聞く者を楽しませる。「サマーストーム」の激しさに驚かされたかと思うと、今度は「アダージョ」の情感豊かなメロディーに惹きつけられる。前作でも採り上げていた「アダージョ」は、これが同じ曲かと思うくらい全く違ったものに仕上がっていて興味深い。
アルバム全体のイメージは、クラシックをベースにスパニッシュ系やメロディアスなものまで幅の広さを見せているが、今回は「ヴァイオリンミューズ」や「エターナリィ」で篠笛や尺八など和風の楽器を用いるなど探究心豊富なところも垣間見せてくれる。いずれも完成度が高く、聴けば聴くほど心が癒される感じである。現在、ニューアルバムのレコーディング中と聞いているが、第3弾が待ち遠しい。