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新装版 長い家の殺人 (講談社文庫)

価格: ¥730
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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長い家 ★★★☆☆
ただ、ギリシア文字で部屋番号が設定されているという不自然さを不思議に思いながら、
建物の見取り図をしばし眺めていると、
すぐに、トリックは判ってしまうけど、これが、歌野氏のデビュー作なんだ〜と
微笑ましい気持ちで読めば、楽しめます。
歌野晶午デビュー作 ★★☆☆☆
5人組音楽グループの合宿で起きた失踪、殺人事件。
冒頭から音楽の表現が多く書かれていて、作者の感性を感じさせました。

しかしその他の場面描写は弱く、最低限の情報のみで構成されているように思えます。
そのため散りばめられているヒントがとてもわかりやすく、浮いて見えました。
トリックに関しても、大胆ではありますが現実性に欠けるというのが印象です。
キャラクターの証言も、読後に読み返してみると何故そうなる?と首をかしげるものもあり、
全体的に作者の希望的観測で出来ているような、もやもやしたものが残りました。

そして漫画のような帰国子女丸出しの、独善的な探偵役がとにかく鼻につく。これが一番読んでいて辛かったです。

とはいえデビュー作と考えれば、荒削りも魅力でしょうか。
巻末の作者と島田荘司氏とのなれ初めは一見の価値あり。
音楽のパズル ★★★★☆
 歌野晶午のデビュー作。学生バンドが集中練習するために張った合同合宿のロッジが舞台。忽然と消失したり出現する死体や荷物。
まるでリモコンで操作しているかのように簡単至極成し遂げられているのに、まったく方法が判然としない。絶対的な不可能性を
帯びたメイントリックが鮮やかだ。
また、歌野と言えば先鋭的なのにどこか懐古的な物語構成が特徴。処女作となる本作は余計にそうかも。社会問題を先見の明をもってして
組み込んでいるのに、それ自体を軽蔑しているような混沌性がつきまとう。ここでは音楽ネタなんかも顕著だ。一見すればただの味付け
のようで実は深いテーマに繋がっている。そしてそんな矛盾した感覚に橋渡しするのが探偵役の信濃なのかもしれない。
どうしようもない野郎なのよ。でも魅力的。だから魅力的。個人的には好きだ。社会的観念からは絶対に成立を許されないけど、こんな
奴がいない社会はどうしようもなくつまらない代表みたいな男。変な表現だが(笑)。
まあ何だかんだで実践してるからなぁ。詭弁ではない。

さてそれはさておき、この作品ミステリー上級者にも初心者にもお薦めだ。両者に薦めるのにこんなピッタリの作品もそうそうない。
結局は斬新だから。故に結構読み込んでいる上級者も楽しい。古臭くカビの生えたような古典には中々手が伸びない初心者も楽しい。

興味ある方は手に取ってみてください。とんでもないアイデアに驚いてみてください。
快調なスタートです。 ★★★★★
この人は推理物など、もう何冊か出してますが、そんな中でもやはり最初に歌野晶午さんの作品を読むのなら断然、自分はこの作品を進めます。
トリックなんかは、こういう類の物を読み慣れている人であれば、案外100%でなくとも、これに近いことなんかは容易に想像できてしまうと思います。元に島田荘司さんなんかは原稿を見て、答えがわかってしまったみたいだし・・・。ただ、それは別に悪いことではない。むしろ、内容が捻くれておらず、読者に対して非常にフェアであり、かなり好感が持てました。
ヒントを出すタイミングなんかも新人とは思えないほど、ばっちりだし、トリックの質なんかもなかなか素晴らしいと思います。
そして、所々、音楽に関するネタ(ビートルズの世代なんかを語り出したり、探偵役の人が作業用のBGMに取り出したのが、キングクリムゾンのクリムゾンキングの宮殿だったり)なんかが練りこまれており・・・いや、元々、バンド物の話なので必然といえば必然なんでしょうけど、ここら辺、チックコリアなんかをよく持ち出してくる、島田荘司さんとすごく被った。
最後に薦を島田荘司さんが書いており、この作品が出版されるまでに起きたエピソードやどういった形で2人が出会ったのかなど書かれていて、島田荘司ファンは見逃せません。
「謎」と「ヒント」のテンポ感がGOODです! ★★★★☆
この連休中に1冊読もうと実家に持って帰り、1日目の夜に読み始めたら終わるまで眠れなくなってしまった。。。
それくらい面白いです!

大学卒業を控えたあるバンドのメンバーが、いきつけの避暑地で合宿を行います。そこで殺人は起こるのです。
夜から行方不明の友人、窓に映る謎の人物、翌朝の捜索を経て、初めて見つかった絞殺死体。
しかし警察の検視からは、死亡推定時刻は行方不明になった直後の時間帯が示されます。

さて、メンバーが一人欠けたラストライブ。
そこで今度はメンバーの女性がライブ中に殺され、発見されます。

失意の中警察からの執拗な取調べを受け、疲弊するメンバー。
そんな中、かつてメンバーだったドラムの天才児が帰国します。
(この天才児のキャラクターが非常にナイス)

事件は部屋の構造、2枚の写真、ライブハウスのトイレから究明されるわけです。

まずテンポがよい!
謎とヒントがすばらしいタイミングで配されているので、途中で止めることが難しい(笑)。
また、場面が浮かびやすいように描かれているのは、筆者の性分かと思われます。
トリック自体よりも、そこにもっていくストーリーが良かった。
動機を解き明かす際の「A7」のくだりも、ミステリーファン、読書好きのツボをくすぐります。

やはりこの作者は面白い!
今注目しています。