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こんな映画が、―吉野朔実のシネマガイド (河出文庫)

価格: ¥882
カテゴリ: 文庫
ブランド: 河出書房新社
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   映画をこよなく愛する漫画家・吉野朔実が「an・an」や「PECマガジン」などで連載した映画エッセイとイラストが1冊に。『フィフス・エレメント』などハリウッドの大作に、今では世界的な巨匠の1人に数えられる北野武の作品、『カフェ・ブダペスト』や『シャンドライの恋』など美しいヨーロッパ映画から鈴木清順や増村保造という先鋭的かつディープな日本映画、果てはイランや中国、中南米の映画まで、さまざまな作品が取り上げられる。ホラー、サスペンス、アクション、恋愛、戦争モノに犯罪モノ、特撮モノと、ジャンルを問わず105本の作品を、映画に対する愛情あふれる視点で紹介する。

   本書はあくまで「シネマガイド」であって、映画評論ではない。欠点をあげつらってバッサリ切り捨てるのではなく、どんなに些細なことでもその映画の優れている点をすくい上げる。1本の映画につき長くて2ページ、短ければ半ページという限られた字数の中に、著者独自の各作品に対する率直な感想と映画の楽しみ方が詰まっている。本書を読めば、すぐさま映画館(ビデオ屋)へ急がねばと居ても立ってもいられなくなるだろう。

   著者は本書を「こいつが紹介しているということは、自分とは合わない映画だな」という「見なくていい映画リストとして活用」してもらっても全然かまわないと言う。だが、「映画に貴賎はない」と言いきる著者の言葉は、魅力あふれる映画の世界に私たちを導いてくれるだろう。(深澤晴彦)

ここにあなたの知らない映画がある ★★★★★
 吉野朔実は、シネマガイドを数冊、読書ガイドも数冊出版している。本が好きで映画が好き。もちろんマンガも好きな人なんだろう。
 で。彼女の読書ガイドが、わたしには恐ろしいまでに役に立たなかった。ものすごく、わたしと趣味が合わないのである。わたしの趣味は、どちらかというと通俗で、彼女の趣味は、いわゆる「趣味人」のものである。
 恐ろしいほど完璧に一人の人間の趣味と合わないということは、すなわち、彼女の趣味が非常にはっきりしている証明だと、わたしは思う。

 このシネマガイドも、読書ガイドと同質の、明確な趣味に貫かれていることが、一読、誰にでもご理解いただけるだろう。
 通俗な趣味とほど遠いので、彼女と趣味の合わない人は多いだろう。
 しかし、読書と違って映画は、おおよそ2時間しんぼうすれば、どんなに趣味の合わない物語も一通り確認することができるのだ。
 たまには、自分と異なる物に魅力を感じるすぐれた鑑賞者の意見を聞いてみれば、全く別の世界が広がるのではないだろうか。
 この本で、マンネリな映画観賞生活に、ちょっとした驚きを導入していただきたい。
ズレまくり。 ★★★☆☆
吉野さんのまんがが大好きで「月下の一群」以来読み続けているので、
書評や映画評も洩れなく目を通しているのですが、
正直なところ書籍・映画の好みはかなりズレています。
厳密に言えば、かなり同じものを読んだり観たりしているにも拘らず、
読みどころ・観どころ・気に入る/入らないところが見事に違う。
だから絵にするところも「え? ここ?」って感じなんですよ。
感覚が滅茶苦茶!合う人の御意見を、
「そうそう、そうなのよ!」と膝打ちつつ読むのも楽しいですが、
首傾げつつ読むのもまた一興です。わはは♪
吉野朔実は素敵です。 ★★★★☆
吉野朔実さんはいいですね〜。ホント、いいですね〜。センスいいし、文章綺麗だし。これは漫画ではないのですが、かなり彼女のイラストが満遍なく入っているので、彼女の漫画が好きな方も非常に楽しめます。
彼女が書いている本の書評シリーズ「犬は本よりも電信柱が好き」とかのシリーズもいいですが映画の方もいいですね〜。
イラストが可愛いい 買い! の一冊 ★★★★★
読書好きな著者らしいレビューも魅力ですが、彼女の描くイラストも同様に楽しめます。レビューもダメだしする批評ではなく、紹介する作品もヒット作品の王道ものからミニシアター系のものと多種多様。1回見たものでも彼女の感想を読んだらまた観なおしてみたくなるそんな本です。
起きたまま見る夢のためにきみの手をとってくれるガイド ★★★★★
 手元において参照したい本。レンタル・ビデオ店がここまで肥大し、煌々と明るい店内でさあどれを借りようかと迷うのは楽しいけど、信頼できる水先案内人がいればそれに越したことはない。このガイドは信頼できる。見て、見て、見まくって、ほんとに心に残ったものだけを、さすがのイラストを添えた、かっちりした文章で紹介してくれる。ここに出てくる作品なら、はずれはありえない! ぼくはじつは疎くて、吉野朔実が熱狂的ファンのいる、しかもぼくと同世代の漫画家なんだということをぜんぜん知らなかった。ごめん。『ECCENTRICS』というすごい傑作の作者なんだということをある僧侶から聞かされたが、いまはそれを読むのを楽しみにしているところ。もちろん、本書にあげられた作品でも見ていないもののほうがずっと多いので、楽しみは当分続き、彼女の名前は机のそばにはばたくことになるだろう。さて、いろんな作品を見るにはどうしてもビデオということになるが、著者自身はぜんぶでっかいスクリーンで見ている。しかも! 彼女は「ちょっと時間が空いたんで映画見て来ちゃった」というせりふが絶対にいえない性分なんだそうだ。前の日から心づもりをして、そのためだけに家を出る人。ぼくらはよろこんで後塵を拝することにしよう。「映画は今の自分とはまったく違う世界に連れて行ってくれるどこでもドアです。座ったまま出来る冒険、起きたまま見る夢です。違う視点で世界を見る方法を教えてくれます。(......)たった2時間で今まで考えたこともないようなことを考えさせてくれます。」もしきみが18歳で、目ざめている時間の使い方がわからなければ、とりあえずこの本をガイドにして、起きたまま見る夢の見方を学んでみたらどうだろう。すると映画が、視力を鍛えてくれる。めちゃくちゃに遠くまで見えるようになる。そのときには、もう座ってなんかいられなくなる。