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地を穿つ魔 <タイタス・クロウ・サーガ> (創元推理文庫)

価格: ¥903
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
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あまりにも古典的 ★★☆☆☆
タイタスクロウの事件簿は短編集でまあ読めたのですが...
今となってはあまりにも古臭い
クトゥルーが好きな方ならともかく
長編は...

まだブラムストーカーのドラキュラとか
いわゆる古典のほうがましだと思います。
いやあ、これおもしろいです。 ★★★★☆
タイタス・クロウ・サーガの第一巻だそうです。探偵役のタイタス・クロウと、ワトソン役のアンリ・ド・マリニーがクトゥルフ的怪奇事件に挑む内容。

正直、ラヴクラフト御大の小説って、読みにくくて読んでないのも多いんですが、これはミステリ感覚ですいすい読めます。構成もなかなかで飽きさせません。あと、日記が多用されていて微笑。「書いている間に逃げろー!」とか突っ込みたくなります(笑)。

主人公のタイタス・クロウですが、作中で凄い人物だ、とされていますが、何が凄いのかよくわかりません(笑)。なんか翻弄されているだけの気が……。まあ、この前作の「タイタス・クロウの事件簿」を読んでいないので、そちらでは能力を発揮しているのかもしれん。

クトゥルフ神話生物をCCD(クトゥルー眷属邪神群)と称して、組織的に科学的に退治しちゃってたりするので、そこらへんが嫌いな人はひっかかるかもしれません。ダーレス的、とまではいきませんが……

ともかくも、クトゥルフが好きな人は一読をオススメします。
さあ、サーガの開幕だ ★★★★☆
 まず最初に、前置きとして書いておかねばなるまい。1974年の作品である。後書きにもあるように、日本で言えば1980年代の伝奇バイオレンス作品を読み返すようなものだ。本書を紐解く前に、そのことだけは念頭に置いておいた方が良いだろう。
 さて。長らく邦訳の待たれたブライアン・ラムレイのタイタス・クロウ物の「本編」とも言うべきシリーズ、「タイタス・クロウ・サーガ」の刊行がついに始まった。『地を穿つ魔』は、邪悪なる黒魔術師や、「クトゥルー神話」と呼ばれる架空の神話体系の連なる人類に害なす神々との闘争を演ずるオカルト探偵、タイタス・クロウを主人公とする長編作品の第1作であり、既刊の短編作品集『タイタス・クロウの事件簿』の時系列で言うと、「ド・マリニーの掛け時計」と「続・黒の召還者」で描かれる時期の間に位置する。
 特筆すべき点が2点ある。これまで日本国内では国書刊行会のラムレイ作品集『黒の召還者』の中で僅かに言及され、ケイオシアム社のTRPG及びその関連書中の解説からその存在を知るのみであった旧支配者クトーニアンが、その歪な烏賊を思わせるおぞましくもパワフルな姿をついに顕していること。そして、クトゥルー神話の神々を「エイリアン的な存在、もしくは力以外のものではない」とするラムレイのスタンスが明確に示されたことだろう。
 古臭いテーマだと笑ってはいけない、先に指摘した通り1970年代の作品なのだ。「古臭い」のではなく実際に古い作品なのであり、昨今の作品及びそのテーマの動向と並列して扱うのはフェアではない。エーリヒ・フォン・デニケンの示した「宇宙考古学」が流行したのは1960年代末期(グラハム・ハンコックの走りみたいなもんだと思ってくれれば良いだろう)。当時、神々の御業を地球外存在(EXTRA TERRESTRIAL)に求めるこうした概念は巷間においてはまだ生々しく、新しい考え方だったのだ。実際、栗本薫が『グイン・サーガ』の中で同様の概念を採用し、新鮮な印象を読者に与えることに成功しているが、これが1980年代のことである。どうか、そこのところを踏まえておいて欲しい。
「タイタス・クロウ・サーガ」完結までにあと5冊。今後どのようなペースで刊行されるかについては未知数だが、おそらくはシリーズを通じて翻訳を担当されるのであろう訳者の夏来健次氏には心よりのエールを送りたい。
邪神VS組織、過去作品とは異質なクトゥルー神話 ★★★☆☆
一般に、クトゥルー神話と言われる物語は、超越的な力を持つ邪神に翻弄される人間をえがいている。しかしブライアン・ラムレイの描くタイタス・クロウを主人公とするシリーズは、クトゥルーの神々を、超越的であるが、滅ぼす事ができる存在として描くところに過去のクトゥルー神話作品と大いに異なる特徴がある。また組織的に邪神に対峙するなど、まるで円谷プロのウルトラ・シリーズのような感じだが、これまでにないその構図は決して悪くはない。
もっとも、それを滅す手段を入手する過程では、旧神の印等、クトゥルーの神々より、さらに上位の存在の力を借りたりしている部分は、過去作品にも通じ、それゆえに逃げ道が容易されているような狡い印象を受ける部分もある。
今作はタイタス・クロウのシリーズの中で、年代的には最初期のものにあたり、彼(とパートナー)がいかにして組織に加わったかという過程も描かれる。対する邪神はブライアン・ラムレイの独創らしきミミズの化け物で、残念ながら物足りなさを感じた。また、終盤の邪神を組織的に追いつめていく過程は、現場からのレポートといった形で描かれているため、さらに物足りなさを感じる。勢い良く書いていたのが、最後息切れしてしまったかの様だ。
シリーズものだけに今後に期待する。
読む者を宇宙的恐怖へといざなうクトゥルー神話世界 ★★★★☆
クトゥルー神話のシリーズ小説です。
もう何十年も前に海外で発表されたのですが前作の
「タイタス・クロウの事件簿」に続いて第二弾がやっと出ました。
クトゥルー神話の世界を前作で初めて体感した私にとっては待ちに待った作品です。
前作の解説でシリーズものであることは知っていただけに待ちわびてました……

この作品では地底に潜む邪神と人類側との戦いが描かれています。
全体的には主人公タイタスの相棒アンリの手記を読む形で物語が進行しています。
冒頭の手紙のやりとりや、失踪した人間が書き残した草稿など
本家のラヴクラフトのテイストを彷彿とさせます。
一気に読み終えました。

タイタスとアンリが邪神を殲滅するために作られた組織、
ウィルマース・ファウンデーションと接触する辺りまでは最高でした。
それから後の展開が……タイタス・クロウやアンリが長いこと傍観者になってるのが残念でした(笑
だから星4つです。

それでも充分面白かったです。
読む方は前作の「タイタスクロウの事件簿」を読むことをお勧めします。
シリーズものですしね。
(本作「地を穿つ魔」は大変気になる終わり方をしているのですが
前作を呼んでないと、ちょっと腑に落ちないと思います)

ブライアン・ラムレイの作品はクトゥルー小説の入門書となり得ると思います。
逆にラヴクラフト作品を既読である方なら、
「チャールズウォードの奇怪な事件」とか好きな人にはお勧めかも。
ただクトゥルー邪神の解釈(邪神達の「力」の解釈といった方がいいのかな)
がラヴクラフトの小説とはかなり異なってます。
また本作はロバート・ブロックの「アーカム計画」に似た部分がありますが、
個人的にはこの作品の方が好きです。読みやすいですし。

最後に解説でクトゥルー関係に影響を受けたここ最近のメディアの説明があるんですが
美少女ゲームのデモンベインにまで触れていたのには思わずニヤリとしました